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急用
「急用〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急用の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
ると、葉子はしばしば真剣に自殺を考えた。倉地が旅に出た留守に倉地の下宿に行って「
急用ありすぐ帰れ」という電報をその行く先に打ってやる。そして自分は心静かに倉地の....
「浜菊」より 著者:伊藤左千夫
さずに待合室へ廻った。明日帰る時の用意に発車時間を見て置くのと、直江津なる友人へ
急用の端書《はがき》を出すためである。 キロキロと笛が鳴る。ピューと汽笛が応じ....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
いして、 「近所の若い妓どもです……御存じの立旦形が一人、今夜来ます筈でしたが、
急用で伊勢へ参って欠席しました。階下で担いだんでしょう。密と覗きに……」 「道理....
「赤外線男」より 著者:海野十三
扉をあけてやると、ダリアは兎のように飛びこんできた。 「先生|済みませんでした。
急用が出来たものですから……」 「一体どうしたというのです」深山理学士は桃枝のこ....
「蠅男」より 著者:海野十三
かかってきたとかで、雇い人に案内されて出ていった。が、すぐ署長はとってかえして、
急用が出来たから署へ帰る。しかしすぐまた此処へ出直すから後をよろしくと帆村にいっ....
「爆薬の花籠」より 著者:海野十三
ょう) と、ふしん顔。 そのとき、電話のベルが鳴った。看護婦が出ると、船長に
急用だという。そこで船長が、かわって電話機をとりあげたが、一言二言いううちに、船....
「戦時旅行鞄」より 著者:海野十三
は……」 4 「いや、それはまたこの次のことにしましょう。わしは今度は
急用でこの○○港にやってきたのでな。商談は、またこの次の機会ということに願います....
「火星兵団」より 著者:海野十三
のせてもらったのである。
東京まで、全速力で来た。
下士官は、丸ノ内の方に、
急用があったので、千二は、芝公園のところで下された。それから千二は、おぼえのある....
「怪塔王」より 著者:海野十三
と一彦は大尉をみあげて言いました。 大尉は首をふりました。 「――なにしろ
急用ですから、失礼して中にはいりますよ」 すると向こうから電話の声で返事があり....
「流線間諜」より 著者:海野十三
たが、彼はこんなときに役に立つとは思わず貰って置いた総長T博士の紹介状を示して、
急用のためぜひ書庫に入れてもらいたいと頼んだ。宿直員は睡いところを起されたのでブ....
「南地心中」より 著者:泉鏡花
れないのに、……その手代に違いない。……当時の久松といったのが、前垂がけで、何か
急用と見えて、逢いに来てからの狼藉が、まったく目に余ったんだ。 悪口吐くのに、....
「開扉一妖帖」より 著者:泉鏡花
店の亭主が向顱巻で気競うから菊正宗の酔が一層|烈しい。 ――松村さん、木戸まで
急用―― いけ年を仕った、学芸記者が馴れない軽口の逃口上で、帽子を引浚うと、す....
「キド効果」より 著者:海野十三
松下というのは、丘よりも一年前に卒業した助教授の名だった。 これで見ると、何か
急用が出来たらしい。真逆学生たちに「講義なんかいい加減にしろといわれたから」と云....
「青い風呂敷包」より 著者:大倉燁子
込んで訊いた、百合子はもじもじしながら、 「姉さんのところへ、――ちょいと、あの
急用が出来て――」と言いながら、救いを求めるように美佐子へ、合図の眼を向けた。飛....
「黒猫十三」より 著者:大倉燁子
は快闊な、歯切れのいい言葉で、 「やあ、ご苦労様! 今まで待ってたんですが、――
急用が出来て、――ま、構わんから一緒に来て下さい」 案外くだけた調子なので、こ....