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急行
「急行〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
急行の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「春」より 著者:芥川竜之介
一
ある花曇りの朝だった。広子《ひろこ》は京都《きょうと》の停車場から東京|行《ゆき》の
急行列車に乗った。それは結婚後二年ぶりに母親の機嫌《きげん》を伺《うかが》うため....
「十円札」より 著者:芥川竜之介
天《じんてん》に恥ずる振舞《ふるまい》ではない。これは二時三十分には東京へはいる
急行車である。多少の前借を得るためにはこのまま東京まで乗り越せば好《い》い。五十....
「奇遇」より 著者:芥川竜之介
発する予定なのです。
編輯者 (驚いたように)今日ですか?
小説家 ええ、五時の
急行に乗る筈なのです。
編輯者 するともう出発前には、半時間しかないじゃありませ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
た。
ところが翌日大学へ行くと、彼は純文科に共通な哲学概論の教室で、昨夜七時の
急行へ乗った筈の大井と、また思いがけなく顔を合せた。
二十一
....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
びしい夜の事である。当時大学の学生だった本間さんは、午後九時何分かに京都を発した
急行の上り列車の食堂で、白葡萄酒《しろぶどうしゅ》のコップを前にしながら、ぼんや....
「白」より 著者:芥川竜之介
聞。昨十八日(五月)午前八時|四十分《しじっぷん》、奥羽線上《おううせんのぼ》り
急行列車が田端駅《たばたえき》附近の踏切《ふみきり》を通過する際、踏切番人の過失....
「星座」より 著者:有島武郎
な人たちだろうと思って、婆やはまたハンケチを眼のところに持っていった。
上りの
急行列車が長く横たわっているプラットフォームには、乗客と見送人が混雑して押し合っ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
汽車出でぬ。 貴婦人 一 その翌日、神戸行きの
急行列車が、函根の隧道を出切る時分、食堂の中に椅子を占めて、卓子は別であるが、一....
「戦話」より 著者:岩野泡鳴
後備歩兵第○聨隊が、高須大佐に導かれて金州半島に上陸すると、直ぐ鳳凰山を目がけて
急行した。その第五中隊第一小隊に、僕は伍長として、大石軍曹と共に、属しておったん....
「幸福のうわおいぐつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
んでいってしまうところでした。さて、学生は旅行の途中です。スウィスのまんなかで、
急行馬車に、ほかの八人の相客といっしょにつめこまれていました。頭痛がして、首がだ....
「暗号数字」より 著者:海野十三
ら、帆村は壁に貼ってある時間表へしきりに目をやっていた。 「十時二十五分、神戸行
急行というのに乗るよりほか仕方がない」 彼は次の旅を考えていたのだ。目的地は大....
「余齢初旅」より 著者:上村松園
いいところであった。 汪精衛閣下 上海へ帰って、十三日の朝八時
急行で南京へ出発したが、その日の午後三時頃着いた。南京の城内へはいって、首都飯店....
「白花の朝顔」より 著者:泉鏡花
大勢の中で、その芸妓――お絹というんです――その女が、京都駅まで、九時何十分かの
急行を、見送りに来てくれたんだから。……それにしても少々遠過ぎますね。――声を聞....
「西航日録」より 著者:井上円了
ーの瀬戸 四時間にしてベルギー国オステンデ(Ostend)港に着す。これより最
急行にて、当日午後六時、ブリュッセル市に着す。当市滞留は一週間にして、その間、ウ....
「南半球五万哩」より 著者:井上円了
周遊は、二百九十七日間に五万七十五マイルを踏尽せし故、一日に百六十九マイルずつを
急行したる割合なり。かかる電光的旅行なれば、精細の観察は到底望むべからず、ただ瞬....