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性分
「性分〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
性分の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
。が、お鳥は重吉を見上げ、いつも唯苦笑してこう言うのだった。
「あれがお父さんの
性分なのさ。何しろお父さんはあたしにさえ『この硯《すずり》はどうだ?』などと言う....
「或る女」より 著者:有島武郎
ますの。わたしはだれにあやまっていただくのもいやですし、だれにあやまるのもいやな
性分《しょうぶん》なんですから、おじさんに許していただこうとは頭《てん》から思っ....
「或る女」より 著者:有島武郎
く寄って作ってくれたごちそうをすっかり賞味しないうちに帰ったのは残念だが、自分の
性分《しょうぶん》としてはあの上我慢ができなかったのだから許してくれとか、人間は....
「温情の裕かな夏目さん」より 著者:内田魯庵
対しては余り打ち解け得ない、初めての人には二、三十分以上はとても話していられない
性分である。ところが、どうした事か、夏目さんとは百年の知己の如しであった。丁度そ....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
「いや泊ることだけは断る。僕はこれで、ひとの家にお客なんかになっては中々睡れない
性分なのでネ。それにチャンとホテルに部屋をとってあるのだから、心配はいらないよ」....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
ったら、どんな思いきったことでも直ちに実行にうつさないではいられない長谷部大尉の
性分としては、至極尤もなことに相違なかった。 艦長加賀大佐は、つと籐椅子から立....
「出奔」より 著者:伊藤野枝
にすぎない。 俺は筆をとるとすぐこんな理屈っぽいことをしゃべってしまうがこれも
性分だから仕方ない許してもらおう。俺は汝を買い被っているかもしれないがかなり信用....
「無題抄」より 著者:上村松園
私には、どうも絵以外のことですと、どうせ余技にすぎないからという気がして、打ち込んで熱中する気になれない
性分があるようです。三味線にしても長唄にしても、最初は謡曲にしても、皆そういう風....
「わが妻の記」より 著者:伊丹万作
ない。私がどんなにやかましくいつても頑として受け付けない。そういうことはできない
性分らしい。近ごろではこちらが根負けして好きにさせてある。結婚当時の私の定収入は....
「画道と女性」より 著者:上村松園
絵以外のことだと、専門外の余技だという気がして打ち込んで熱中してやる気になれない
性分がある。三味線にしても長唄にしても、最初は謡曲にしてもそういう風にズボラに考....
「淡島椿岳」より 著者:内田魯庵
あり合せた袋で間に合わしていた。何でも個性を発揮しなければ気が済まないのが椿岳の
性分で、時偶市中の出来合を買って来ても必ず何かしら椿岳流の加工をしたもんだ。 ....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
如何にドラッジェリーのツモリでもツルゲーネフを外字新聞|並に片附ける事は二葉亭の
性分として出来得なかった。が、その心持は以前と違って遥かに気楽であった。それゆえ....
「透明人間」より 著者:ウェルズハーバート・ジョージ
、もうじっとしていられないんだ。すぐにも実験にとりかかりたくてね……これがぼくの
性分なんでね」 人のいいおかみさんは、これを聞くと、たちまち、この男を怪しんだ....
「私の履歴書」より 著者:井上貞治郎
ていては取返しのつかない気もしてきた。こうなるともうじっとしていられないのが私の
性分である。少しのたくわえがあったのと、足らぬ分は着物を向かいの質屋へ二円で入れ....
「ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
生きることはまったくすばらしい! ――寂しい生活、――否、確かに僕は寂しく生きる
性分ではない。ロールヒェンにくれぐれもよろしく……君は僕を幾らかは愛していてくれ....