性病[語句情報] »
性病
「性病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
性病の前後の文節・文章を表示しています。該当する14件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「女神」より 著者:太宰治
ぎれもない狂人である。満洲で苦労の結果の発狂であろう。或《ある》いは外地の悪質の
性病に犯されたせいかも知れない。気の毒とも可哀想とも悲惨とも、何とも言いようのな....
「門」より 著者:夏目漱石
見せなかった。小さい折鞄《おりかばん》を脇に引き付けて、落ちつき払った態度で、慢
性病の患者でも取り扱うように緩《ゆっ》くりした診察をした。その逼《せま》らない顔....
「幸運の黒子」より 著者:海野十三
の暮れ、三千円というものを費《つか》って新妻を持った。その細君はさらに次の年に慢
性病になり、転地療養をすることになって残額の二千円はばたばたとなくなってしまった....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
、もっと東京への侵入を許すであろう。 ヨードが、含まれているから、青年男女は、
性病の治療法の一つとして「昆布ガム」を愛用すべしと。これなら、親爺の前で、しゃぶ....
「自覚について」より 著者:宮本百合子
ら職業を持ち、あの混む電車に乗り、さらにあまりりっぱな服装をしていない若い女性は
性病撲滅のためという理由によって、警察にとめられて吉原病院で強制的な検診をさえも....
「逆立ちの公・私」より 著者:宮本百合子
のである。 公私逆立った既成政党の腐敗が、忽ち、婦人参政の新しい地域まで悪質な
性病のような急スピードで蔓延しつつある。戦争犯罪によって頭株をとられた進歩党が、....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
どい害悪でしょう、こわいと思いました。命にかかわるような病気のとき、アルコールと
性病とは決定的なマイナスですね。「これにこりてお酒やめればいい」と云ったら宮川氏....
「わが精神の周囲」より 著者:坂口安吾
シでござれ、肺病なんか、特に三日から一週間で治ってしまうよ。それ以上にきくのが、
性病。淋病、梅毒、あんなもの、この先生の温灸じゃ、病気のうちにはいっていないよ」....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
。 日本の現実で考えて、まア大体に於て男の貞操にはたしかに値段がありませんな。
性病の有無というようなことは結婚の支障となるかも知れないが、童貞であるか、ないか....
「環礁」より 著者:中島敦
いふ》と哀感とが加わっているのである。 何故、この島には赤ん坊が生れないのか。
性病の蔓延《まんえん》や避妊の事実は無いか、と誰もが訊ねる。なるほど、
性病も肺病....
「小酒井不木氏」より 著者:平林初之輔
しか知らぬ。実地の医学の方面では、闘病術その他の著者として、肺結核その他一般の慢
性病の療法において抵抗療法の主唱者であり、一病一薬主義の正統派の治療法の反対者で....
「人工心臓」より 著者:小酒井不木
剤ですから、つまり医学の究極は心臓を強くさせることだということが出来る訳です。急
性病にしろ、慢
性病にしろ、若し心臓さえ変らぬ力で働いて居たならば、治る病気は治り....
「澪標」より 著者:外村繁
る。しかし私はそんなものを利用しよう、或は利用したい、と思ったことは一度もない。
性病を恐れたからでもない。童貞を惜しんだからでもない。梶井のような惨澹たる気持に....
「ロザリオの鎖」より 著者:永井隆
もやっているわけですな。 やみの女の問題や遊郭がやかましく論ぜられるのも、単に
性病だとか風俗とか経済の面から取り扱われることが多く、もっと深い性の本質の点から....