»
怨
「怨〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怨の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
と服部平四郎を感じた。
「誰じゃい、おぬしは?」
「伝三の倅《せがれ》の伝吉だ。
怨《うら》みはおぬしの身に覚えがあるだろう。」
浄観《じょうかん》は大きい目を....
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
お鳥の嫉妬《しっと》を煽《あお》っていた。尤《もっと》もお鳥はお芳自身には一度も
怨《うら》みなどを言ったことはなかった。(これは又五六年前、お芳がまだ女中部屋に....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
くない響を伝えたのは、果して私の気のせいばかりだったでしょうか。いや、この時半ば
怨ずる如く、斜《ななめ》に彼を見た勝美《かつみ》夫人の眼が、余りに露骨な艶《なま....
「河童」より 著者:芥川竜之介
答 ある批評家は「群小詩人のひとり」と言えり。
問 彼は予が詩集を贈らざりしに
怨恨《えんこん》を含めるひとりなるべし。予の全集は出版せられしや?
答 君の全....
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
もあった。が、それよりも先にこの三年間、彼に幾多の艱難を嘗《な》めさせた彼自身の
怨敵《おんてき》であった。――甚太夫はそう思うと、日頃沈着な彼にも似合わず、すぐ....
「古千屋」より 著者:芥川竜之介
》の悪霊《あくりょう》の乗り移ったために誰も皆恐れていることを話した。
「直之の
怨《うら》むのも不思議はない。では早速実検しよう。」
家康は大蝋燭《おおろうそ....
「三右衛門の罪」より 著者:芥川竜之介
はないか?」
「覚えと申すほどのことはございませぬ。しかしあるいはああ云うことを
怨《うら》まれたかと思うことはございまする。」
「何じゃ、それは?」
「四日ほど....
「猿蟹合戦」より 著者:芥川竜之介
蟹《かに》の握り飯を奪った猿《さる》はとうとう蟹に仇《かたき》を取られた。蟹は臼《うす》、蜂《はち》、卵と共に、
怨敵《おんてき》の猿を殺したのである。――その話はいまさらしないでも好《よ》い。....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
気味の悪い反響を喚《よ》び起した。
「万歳! 日本《にっぽん》万歳! 悪魔降伏。
怨敵《おんてき》退散《たいさん》。第×聯隊万歳! 万歳! 万々歳!」
彼は片手....
「俊寛」より 著者:芥川竜之介
極楽《ごくらく》じゃと思うている。じゃからおれに会いさえすれば、謀叛人の父ばかり
怨んでいた。」
「しかし康頼《やすより》様は僧都《そうず》の御房《ごぼう》と、御....
「樗牛の事」より 著者:芥川竜之介
で、「竜華寺《りゅうげじ》に詣《もう》ずるの記」くらいは、惻々《そくそく》たる哀
怨《あいえん》の辞をつらねて、書いたことがあるかもしれない。
ところがこのごろ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
《えんきょう》四年八月十五日の朝、五つ時過ぎに、修理《しゅり》は、殿中で、何の恩
怨《おんえん》もない。肥後国熊本の城主、細川越中守宗教《ほそかわえっちゅうのかみ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
、今更のようにお敏を疑ったのが恥しくもなって来ますし、また一方ではこの自分に何の
怨《うらみ》もないお島婆さんが、何故そんな作略をめぐらすのだか、不思議で仕方がな....
「追憶」より 著者:芥川竜之介
一四 幽霊 僕は小学校へはいっていたころ、どこの長唄の女師匠は亭主の
怨霊にとりつかれているとか、ここの仕事師のお婆さんは嫁の幽霊に責められているとか....
「杜子春」より 著者:芥川竜之介
。母親はこんな苦しみの中にも、息子の心を思いやって、鬼どもの鞭に打たれたことを、
怨む気色さえも見せないのです。大金持になれば御世辞を言い、貧乏人になれば口も利か....