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怪しむ
「怪しむ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
怪しむの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
か。』と尋《たず》ねたほど、意外な感じに打たれました。が、彼は反《かえ》って私の
怪しむのを不審がりながら、彼ばかりでなく彼の細君も至極健康だと答えるのです。そう....
「或る女」より 著者:有島武郎
涙がぼろぼろと出てしかたがなくなった。おかしな……どうしてこう涙が出るのだろうと
怪しむうちに、やる瀬ない悲哀がどっとこみ上げて来た。底のないようなさびしい悲哀…....
「星座」より 著者:有島武郎
園の心は思いもかけず小さく激しく沸き立ちはじめた。
「その鞄は」
と小母さんは
怪しむように尋ねた。
「今お話します」
園は小母さんの怪訝《けげん》そうな顔に....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
かろ》く戴《いただ》きて懐《ふところ》にせり。時に通り懸かりたる夜稼ぎの車夫は、
怪しむべき月下の密会を一瞥《いちべつ》して、 「お合い乗り、都合で、いかがで」 ....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ナロク(Ragnarok)と名づけるところの没落期となるであろうと信じていたのは
怪しむに足りない。この時代が近よると無秩序の不安な状態が再び立帰ってくるであろう....
「恒藤恭氏」より 著者:芥川竜之介
たい心地するなり」と歌えるものは当時の菊池寛なり。当時の恒藤に数篇の詩あるも、亦
怪しむを要せざるべし。その一篇に云う。 かみはつねにうゑにみてり いのちのみをそ....
「思い」より 著者:伊丹万作
各社代表が、利益から離れられないのは、むしろ当然すぎることであつて、少しもこれを
怪しむ理由はない。彼らは一人々々切り離して観察すれば、おそらくいずれも国民常識ゆ....
「明治哲学界の回顧」より 著者:井上哲次郎
戦争はいっそう影響するところが多く、その結果思想界にまで変化を及ぼすに至ったのは
怪しむに足らないと思う。もっとも大正年間に入って世界大戦があったからして、これま....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
うもお待遠様でした。」 と、襖を開けてその六畳へ入ると誰も居ない、お縫は少しも
怪しむ色なく、 「堪忍して下さい。だもんですから、」ずっと、長火鉢の前を悠々と斜....
「甲州郡内妖怪事件取り調べ報告」より 著者:井上円了
によりて、はじめてその家人に知られしものなれば、これをかの女子の所為とせば、毫も
怪しむべき点なきなり。ただこれが奇怪とせらるるは、その女子は決してかかる悪戯をな....
「妖怪学」より 著者:井上円了
はひとり身部よりの療法にして、いまだ世に心部よりの療法あるを聞かざるは、かえって
怪しむべきことなり。近ごろ、馬島氏の経験にかかる療法は、全くその心部よりの療法な....
「妖怪報告」より 著者:井上円了
のなりといえども、かくのごとく詳細の事実に至るまで、多分は符合すること、はなはだ
怪しむにたえたり。しかりといえども、古来東洋の人、夢によりて禍福を知り、夢に神託....
「迷信解」より 著者:井上円了
体に、果たしてよく人を誑惑し得る知能ありやいかんを探り、またその挙動に、果たして
怪しむべきところありやいかんを知ることが必要である。西洋にては狐の狡猾なることを....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
その図、毫も本邦に伝わるところのものと異ならず。その想像東西符合せるは、はなはだ
怪しむべし。 ベルリンの人種博物館中にも、インドの仏像、シナの仏像、日本の仏像....
「西航日録」より 著者:井上円了
今日より食後、アイスクリームを呼ぶに至る。霜風凍雨の時節このことあるは、本邦人の
怪しむところならん。二十八日未明、ホンコンに着す。また快晴なり。暑気、わが九月彼....