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「怱忙〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

怱忙の前後の文節・文章を表示しています。該当する6件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
羅生門の後に」より 著者:芥川竜之介
は》だ曖昧《あいまい》な答案を書いて通過する、卒業論文の如《ごと》きは、一週間で怱忙《そうぼう》の中に作成した。その自分がこれらの余戯《よぎ》に耽《ふけ》り乍《....
雛妓」より 著者:岡本かの子
ないものだ」 わたくしは再び眼を上げて、蓮の枯茎のOの字の並べ重なるのを見る。怱忙として脳裡に過ぎる十八年の歳月。 ふと気がついてみると、わたくしの眼に蓮の....
」より 著者:神西清
をどう使うべきか? 召使に穀類を買わせて、小舎ごとに分配して廻らせるか。それは、怱忙の際とて飽食者や高利貸の方へ、飢えた者の二倍もやってしまう危険は問うまでもな....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
は分らなくても、後刻に至って分らないはずはありますまい。 三十怱忙《そうぼう》のうちにも無名丸は、船出としての喜びと希望とを以て、釜石の港から....
石狩川」より 著者:本庄陸男
――おぬしは?」と彼は名ざした。 主事というのは阿賀妻の役の名であった。先年|怱忙《そうぼう》のみぎりに、移住を日程にのぼした彼らが、さきの家老に一切をまかし....
姫たちばな」より 著者:室生犀星
じ考えにふけっていた。 「我ら、野の美しさを永い間忘れてい申した。」 都に住む怱忙の若者らは、いまさらに野の清い広さにしみ入って眺めた。津の人は和泉の人の誰に....