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「恋い慕う〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恋い慕うの前後の文節・文章を表示しています。該当する8件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
藤十郎の恋」より 著者:菊池寛
のごとく凄じい)……。 藤十郎 (言葉だけは熱情に震えて)人妻になったそなたを、恋い慕うのは、人間の道ではないと心で強う制統しても、止まらぬは凡夫の思いじゃ。そ....
春昼」より 著者:泉鏡花
恋も無常も知り抜いた風に見える。身体つきにも顔つきにも、情が滴ると言った状じゃ。恋い慕うものならば、馬士でも船頭でも、われら坊主でも、無下に振切って邪険にはしそ....
愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
女の幸福を傷つけずしては私のそれの要求の実現できない永い悲哀が残るばかりである。恋い慕う心のみたされない苦しさに悶えるばかりである。 私は初めから小説などに描....
大菩薩峠」より 著者:中里介山
夢よりはいっそう切《せつ》ないわが身に返りました。 旅寝の疲れで夢を見て、母を恋い慕うて覚めて見れば、身はひとり寝の祠の中で、外は日暮れの物淋しい夕焼けの色で....
丹下左膳」より 著者:林不忘
りじたくをはじめて身体を拭《ふ》きだした。 弥生はやはり弥生、いまだに栄三郎を恋い慕う純なこころを失わずにいるのだった。 それはいいが! この風呂場の羽目....
青春の息の痕」より 著者:倉田百三
て来ました。そして五日ほど私たちと一緒に暮らしました。彼女はますますはげしく私を恋い慕うようになりました。五日の間一緒にいても彼女ははればれとたのしく私たちと暮....
空中征服」より 著者:賀川豊彦
は、長き睡りを要求している。煤煙の下で彼はあまりに疲れた。 しかし、彼が自然を恋い慕うたのは、この永遠の眠りのためではなかった。彼は安息をこそ要求したが、寂滅....
年中行事覚書」より 著者:柳田国男
と思って、匿した着物を出してやると、天女はそれを着て早速昇天してしまった。若者は恋い慕うて歎いていると、人が来て天に昇って行く法を教えてくれた。それは一日の中に....