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恋する
「恋する〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恋するの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「路上」より 著者:芥川竜之介
子の姿を眺めていたが、やがてわざと軽い調子で、
「御安心なさい。あんたなんぞは失
恋するような事はないから。その代り――」
辰子はまた静に眼を挙げて俊助の眉の間....
「或る女」より 著者:有島武郎
。なぜそれならそうと明らかにいってはくれないのだ。いってさえくれれば自分にだって
恋する男に対しての女らしい覚悟はある。別れろとならばきれいさっぱりと別れても見せ....
「玉藻の前」より 著者:岡本綺堂
めていると、すだれはおのずからさらりと落ちて、車は再びゆるぎ出した。 「わらわに
恋するなど及ばぬことじゃ。思い切れ。思い切らぬと命がないぞ」 すだれのなかでは....
「去年」より 著者:伊藤左千夫
まれた趣味性の嗜好は、君も知るごとく僕にはどうしても無趣味な居住はできないのだ。
恋する人は、理の許す許さぬにかかわらず、物のあるなしにかかわらず恋をする。理が許....
「ルバイヤート」より 著者:小川亮作
わたしはお言葉のとおりでも、 あなたの口と行いは同じでしょうか? (87)
恋する者と酒のみは地獄に行くと言う、 根も葉もない囈言にしかすぎぬ。
恋する者や....
「春昼」より 著者:泉鏡花
る景色を見よう。月に白衣の姿も拝もう。熱あるものは、楊柳の露の滴を吸うであろう。
恋するものは、優柔な御手に縋りもしよう。御胸にも抱かれよう。はた迷える人は、緑の....
「日本脱出記」より 著者:大杉栄
二つ三つある。その他は牢やの監房で見たのと同じようなことばかりだ。女房の誰とかを
恋するとか、生命にかけてブルタニュ女の誰とかを崇めるとかいうのも、幾つも書いてあ....
「星女郎」より 著者:泉鏡花
人連れて看病に駆着けて来た母親は、娘が不行為とは考えない。男に膚を許さないのを、
恋するものが怨むためだ、と思ったそうです。 とても宿じゃ、手が届かんで、県の病....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
諾を得る方がよい、と仰っしゃいました。何を隠しましょう、私はその時、この人には、
恋する人の、本当の気持は判らないと、心の中で大へんにあなたを軽視したのでございま....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の合図をしてくれるものと思って、ひそかに自分を慰めていた。なぜといえば、「すべて
恋する人の心は相手に通ずるものである」また、「実際、どれだけの愛人たちが、この鏡....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
必要はないのであるが、さてそれが非常にむずかしい事件であった。 それはすべての
恋する人が恐れるように、およそ恋愛の成るか成らぬかの間にまた楽しい時代があるので....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
に都合よくさいわい山査子には小さい刺があった。 田夫思喩 田夫が貴姫を
恋するこころを人に打ち明けた。人は「王女に汝の思いを通じたが汝を王女は嫌いと云っ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
されて笑った。 「いや、それほどの愚か者でもござりませぬ。」 「なりゃ、わたしに
恋するは愚か者か。もう一度たしかに言うて見やれ。」 「なにさま愚か者かも知れませ....
「宝永噴火」より 著者:岡本かの子
必要なことと思われる。 慧鶴が橘屋に出入りしているうちに、娘はこの若い修道僧を
恋するようになった。この娘は恋の懊悩の為、この年の翌々年、宝永二年に死んでしまう....
「海のまぼろし」より 著者:小川未明
さまじい風が吹きつのって、沖が暴れ狂ったからでした。彼女は、いつしか、他の青年を
恋するようになりました。 「その指輪は、だれからもらったのか。」と、その青年は、....