恋風[語句情報] »
恋風
「恋風〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恋風の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「右門捕物帖」より 著者:佐々木味津三
たいんだよ」 「じきにそれだ。何かといやすぐに食いけを出すんだからな。秋口だって
恋風が吹かねえともかぎらねえ。たまにゃ女の子の気のほうもお出しなせえよ。――よっ....
「心中」より 著者:森鴎外
て来たのを、女中達が覗《のぞ》いて見て、高麗蔵《こまぞう》のした「魔風《まかぜ》
恋風」の東吾《とうご》に似た書生さんだと云って騒いだ。それから寄ってたかってお蝶....
「綺堂むかし語り」より 著者:岡本綺堂
る老人が説明してくれた。 そこで、お染という名を与えた昔の人の料簡は、おそらく
恋風と云うような意味で、お染が久松に惚れたように、すぐに感染するという謎であるら....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
も颯爽として、いとも見事な牡馬なのです。 「わははははは、左様か左様か。畜生共に
恋風が吹きおったかい。わははは、わははは。道理でのう、道理でのう、いや、無理もな....
「蒲団」より 著者:田山花袋
た。基督教の女学校は他の女学校に比して、文学に対して総て自由だ。その頃こそ「魔風
恋風」や「金色夜叉」などを読んではならんとの規定も出ていたが、文部省で干渉しない....
「大衆文芸作法」より 著者:直木三十五
十三年大阪毎日新聞に、「己が罪」を書いて世の子女を泣かせ、 小杉天外は、「魔風
恋風」を三十六年読売新聞に連載し、大倉桃郎は、「琵琶歌」を書いた。 同時に、講....
「煩悩秘文書」より 著者:林不忘
何ものにも眼をくれず、黄金のみ追い来りし文珠屋佐吉《もんじゅやさきち》。ぞっこん
恋風とやらを引き申候。これより猿の湯に引き返し、強談もて娘を申し受くる所存に候。....
「暴風雨に終わった一日」より 著者:松本泰
てきたものであった。よく学校の帰りなどに宝沢が伊東を店先に待たせておいて、『魔風
恋風《まかぜこいかぜ》』『はつ姿』などという小説本をひっくり返していると、なんに....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
当年とって二十と六歳。萩乃様を一眼見て、背骨がゾクッと総毛走った拍子に、スーッと
恋風をひきこんじまった。
「アア、世の中には、こんな女もいたのか――」
と、そ....
「海水浴」より 著者:寺田寅彦
当時の大学生には世にもモダーンなシックなものに見えたのであろう、小杉天外の『魔風
恋風』が若い人々の世界を風靡していた時代のことである。 大正の初年頃|外房州の....
「生前身後の事」より 著者:中里介山
していたのである、というのは、不如帰《ほととぎす》でもなし、乳姉妹でもなし、魔風
恋風でもなし、新派のやるべきものはやり尽して仝《おな》じ型で鼻についてしまったの....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
。あの女に見られた男は、誰でもただじろりやられただけで、ぞっと襟《えり》もとから
恋風を引き込む。 そうだ、違えねえ。 あの女、あの女、紛れもねえあいつだ。 ....
「かくれんぼ」より 著者:斎藤緑雨
ついぞこれまで覚えのない口舌法を実施し今あらためてお夏が好いたらしく土地を離れて
恋風の福よしからお名ざしなればと口をかけさせオヤと言わせる座敷の数も三日と続けば....
「二階から」より 著者:岡本綺堂
ある老人が説明してくれた。 そこで、お染という名を与えた昔の人の料見は、恐らく
恋風というような意味で、お染が久松に惚れたように、直に感染するという謎であるらし....
「粟田口霑笛竹(澤紫ゆかりの咲分)」より 著者:三遊亭円朝
云いよう男振りと云い、真に情の有りそうなお方と世間知らずの生な娘もぞっと身に染む
恋風に、何処の人だか知れませんが好い息子さんだと思い初め、ぼんやりとして後姿を見....