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恐
「恐〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「浅草公園」より 著者:芥川竜之介
父親らしい後ろ姿。ただし今度は上半身《じょうはんしん》。少年はこの男に追いついて
恐る
恐るその顔を見上げる。彼等の向うには仁王門《におうもん》。
....
「犬と笛」より 著者:芥川竜之介
がら、駈けて来ました。
「これは噛めという犬だ。この犬を相手にしたが最後、どんな
恐しい鬼神《おにがみ》でも、きっと一噛《ひとか》みに噛み殺されてしまう。ただ、己....
「おぎん」より 著者:芥川竜之介
》を始め三人の宗徒《しゅうと》は、村はずれの刑場《けいじょう》へ引かれる途中も、
恐れる気色《けしき》は見えなかった。刑場はちょうど墓原《はかはら》に隣った、石こ....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
三十七貫と言うのですから、太刀山《たちやま》にも負けない大男だったのです。いや、
恐らくは太刀山も一籌《いっちゅう》を輸《ゆ》するくらいだったのでしょう。現に同じ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
子を後《うしろ》にして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。書物は
恐らく、細川家の家臣の一人が借してくれた三国誌の中の一冊であろう。
九人一つ座....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
んでいた。この四月以来|市場《しじょう》には、前代未聞《ぜんだいみもん》だと云う
恐慌《きょうこう》が来ている。現に賢造の店などでも、かなり手広くやっていた、ある....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
うむ》るのにきまっている。常子も――おお、「弱きものよ汝の名は女なり」! 常子も
恐らくはこの例に洩《も》れず、馬の脚などになった男を御亭主《ごていしゅ》に持って....
「アグニの神」より 著者:芥川竜之介
たのに違いない、消えそうな鉛筆の跡があります。 「遠藤サン。コノ家ノオ婆サンハ、
恐シイ魔法使デス。時々真夜中ニ私ノ体ヘ、『アグニ』トイウ印度ノ神ヲ乗リ移ラセマス....
「墓」より 著者:秋田滋
世の人ではなくなってしまったのです。 断末魔の苦しみがつづいている間は、驚きと
恐怖のあまり、わたくしにはもう何がなにやら解らなくなり、落ついて物を考えることな....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
私は気分を変えようとして旅に出たこともある。だが、知らぬ他国にあって感じる孤独が
恐怖の念をいだかせた。私には自分がこの地上にたッたひとりで生きている余りにも小ッ....
「初雪」より 著者:秋田滋
のことである。こんなことでは到底生きてゆかれぬと思ったので、彼女はある晩、良人に
恐る
恐る頼んでみた。 「ねえ、あなた。どうでしょうね、春になるまでに二人で巴里へ....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を知っている人は、簡単な器械でその答を得ることをも知っている。この能のない人は、
恐らく多くの器械を手にしても、良い結果は得られまい」というのが、ファラデーの意見....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
まるで叱っているか命令でもしているような調子の重々しい声が聞えた。また、ときには
恐ろしい鞭の音がしたが、おそらく先生が、だれか歩みのおそいものをうながして花咲く....
「狂人日記」より 著者:秋田滋
世の中には、自分はそれと気付かないでいて、しかもこの残虐な狂人と同じように、巧に
恐ろしいことをやる狂人が沢山あると言った。....
「三人の百姓」より 著者:秋田雨雀
って来たのだが、相談にのってくれるだろうかね?」 と言いました。長左衛門は、益々
恐縮して、 「これは誠に
恐れ入ります。御代官様の御相談ならばどんなことでも御相手....