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恐がる
「恐がる〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐がるの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「二、三羽――十二、三羽」より 著者:泉鏡花
ものを、飢えさしてはならない。――きっと親雀が来て餌を飼おう。それには、縁では可
恐がるだろう。……で、もとの飛石の上へ伏せ直した。 母鳥は直ぐに来て飛びついた....
「義民甚兵衛」より 著者:菊池寛
よう、しっかり持たんけいな。 甚兵衛 わしゃ恐い。恐い。 首領の一人 臆病者め!
恐がることはない。一揆の人数は綾郡宇多郡を合せて、五万三千人じゃ、なんの恐いこと....
「吉原新話」より 著者:泉鏡花
かも知れないが、何とも言われないほど胸が鬱いだよ。第一、三輪坊が、どんなにか、可
恐がるだろう、と思ってね。 場所が谷中だと言うんだろう、……私の出会ったのもや....
「深夜の市長」より 著者:海野十三
いえば、絹坊はどうしているネ」 「けさ速水さんが病院に連れていったよ。お陽さまを
恐がるのをセイシンブンセキとかで癒すためにネ。あたしは余計なことだと思っているん....
「人外魔境」より 著者:小栗虫太郎
。猿人、原人といわれるドドが飛行機に驚かない。それでいて、王蛇や豹をみるとひどく
恐がる」 「きっと『悪魔の尿溜』探検の飛行機でもみたんだろうよ。しかし、五度や六....
「支倉事件」より 著者:甲賀三郎
「え、え」 支倉は恐怖の色を現わして顔を背向けようとした。 「おい、何もそう
恐がる事はない」 渡辺刑事は石子から髑髏を受取りながら、 「お前の可愛がった女....
「謀叛論(草稿)」より 著者:徳冨蘆花
足も出ぬ者どもに対する怖えようもはなはだしいではないか。人間弱味がなければ滅多に
恐がるものでない。幸徳ら瞑すべし。政府が君らを締め殺したその前後の遽てざまに、政....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
失礼な起しましょうと口々に騒ぐを制して、朝餉も別間において認め、お前さん方が何も
恐がる程の事はないのだから、大勢側に附いて看病をしておやんなさいと、暮々も申し残....
「悪獣篇」より 著者:泉鏡花
ていた。 まあ、こんな人たちもあるに、あの婆さんを妖物か何ぞのように、こうまで
恐がるのも、と恥かしくもあれば、またそんな人たちが居る世の中に、と頼母しく。……....
「まぼろし」より 著者:国木田独歩
れとても自家の運命の末がそろそろ恐くなって来たに違いない。およそ自分の運命の末を
恐がるその恐れほど惨痛のものがあろうか。しかもかれには言うに言われぬ無念がまだ折....
「或る女の手記」より 著者:豊島与志雄
分らない安心を覚えた。初めは逢えないのを悲しんでた私が、僅か一月の間に、逢うのを
恐がるようになったのである。それは、暫くでも忘れかけたのを済まなく思うからでもな....
「後の業平文治」より 著者:三遊亭円朝
面白い」 と其の鳥を押えますと、平生人の居りませぬ島でありますから、少しも人を
恐がる様子もなく、馴々しく手の上へも止ります。 文「これは好い鳥を見付けたわい....
「猿ヶ京片耳伝説」より 著者:国枝史郎
るなんてことないわ。おとりなさいよ」 「取らねえ方がいいようだ」 「何故よ」 「
恐がるといけねえ」 「誰がよ」 「娘っ子が」 「あたし? フーッ。……湯屋の娘が....
「次郎物語」より 著者:下村湖人
いたのである。 馬田もしぶしぶながら最後近くなってとうとう署名した。彼は血判を
恐がるような男ではなかった。しかし、血書が明らかに次郎の書いたものであることを知....
「藍微塵の衣服」より 著者:田中貢太郎
。 「私はお礼にあがっております」 「そうか、そうか、しかしお前が来ると、これが
恐がるからもう来るな」と所天が云った。 それと同時に、女の姿は消えたが、それから二度と現れるようなことはなかった。....