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「恐さ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恐さの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
みで。――もうこの頃では、押掛ける、引摺りに行く、連れて帰る、と決闘状。それが可恐さに、「女が来たら、俥が見えたら、」と、お滝といいます……あのお茶っぴいに、見....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
す。……梅水のものですよ。それで大概、挨拶をして離れちまいますんですもの、道の可恐さはちっとも知らずにいたんです。――それに牡丹亭のあとまでは、つれがありました....
「夫人利生記」より 著者:泉鏡花
きのある山の峰を、孫のために拝んだ、小児も小さな両手を合せた。この時の流の音の可恐さは大地が裂けるようであった。「ああ、そうとは知りませぬ。――小児衆の頑是ない....
「薬草取」より 著者:泉鏡花
の襟の細く掛った襦袢も残らず。 小児は糸も懸けぬ全裸体。 雨は浴るようだし、恐さは恐し、ぶるぶる顫えると、親仁が、強いぞ強いぞ、と言って、私の衣類を一丸げに....
「山吹」より 著者:泉鏡花
ましたそうな儀で。……生命も血も吸いました。――一旦夢がさめますると、その罪の可恐さ。身の置所もござりませぬで。……消えるまで、失せるまでと、雨露に命を打たせて....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
間に白いものがかかって、ふらふらと動いていた。暗さは暗し、場所柄は場所柄なり、可恐さの余り歯の根も合わず顫え顫え呪文を唱えながら遁げ帰りましたそうでありますが、....
「火星探険」より 著者:海野十三
どろいたが、まもなく少年たちは窓の外に見られるめずらしい下界の風景にうち興じて、恐さも不安も知らないように見えた。 「愉快だね。え、あの青いのは太平洋だね。カリ....
「空襲葬送曲」より 著者:海野十三
のだった。金庫は、みるみる破壊され、銀貨や紙幣が、バラバラと撒き散された。群衆は恐さも忘れて、慾心まるだしに、金庫を目懸けて突進した。五十銭銀貨を一枚でも、掌の....
「崩れる鬼影」より 著者:海野十三
物団が居ると見て、これを釣り出すために機関車隊を編成させ、力較べをさせたのです。恐さを知らぬ化物団は、勝っているうちはよかったが、力負けがしてくると大焦りに焦っ....
「大脳手術」より 著者:海野十三
よし、今それを改めてくれるぜ） 私の胸は踊った。後は何が何やら夢中である。もう恐さも恥かしさもない。私は狂犬のように横町から飛出していって、いきなり教授の腕を....
「自叙伝」より 著者:大杉栄
白い、ぼやけた輪郭の、ぼっぼと燃えているようなお化がそこに現れた。僕は面白半分、恐さ半分で、伯母さんの言いなり次第に、指先きでお化の顔をいじって見た。するとこん....
「貞操問答」より 著者:菊池寛
させないで頂きたいと思いますの。家庭教師は、女中ではありませんから。先生としての恐さを無くしてしまうと、いろいろ弊害が多いと思いますから……そのおつもりで……」....
「大鵬のゆくえ」より 著者:国枝史郎
が横へ逸れるかと思うと、庭の方へ歩いて行く。 「泥棒！」 とばかり飛び上がり、恐さも忘れて組み付いた。ひょいと飜した身の軽さ。フワリと一つ団扇で煽ぎ、 「これ....
「たぬき汁」より 著者:佐藤垢石
ウヒョウと細い鳴き声が次第に屋敷のまわりへ近づいてくる。幼い私は、その声をきくと恐さに祖母の膝へしがみついた。そして祖母の寝物語に、カチカチ山の爺さんが狸婆さん....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
くの野らへ出たあとなので、泣き声を聞きつける者もなく、十歳になる女児は叱られるが恐さに、火傷した女児を窃と自家へ連れて往って、火傷部に襤褸を被せて、其まゝにして....