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恐らく
「恐らく〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐らくの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「カルメン」より 著者:芥川竜之介
「まあ、もう一幕見て行こうじゃないか?」
僕等がダンチェンコと話したりしたのは
恐らくはこの幕合《まくあ》いだったのであろう。
次の幕も僕等には退屈だった。し....
「邪宗門」より 著者:芥川竜之介
うびと》で、中御門《なかみかど》の御姫様に想《おも》いを懸けないものと云ったら、
恐らく御一方もございますまい。あの方が阿父様《おとうさま》の代から、ずっと御住み....
「開化の良人」より 著者:芥川竜之介
と久闊《きゅうかつ》の手を握り合った時、すでに私には気がついていた事でした。いや
恐らくは気がついたと云うよりも、その冷静すぎるのが気になったとでもいうべきなので....
「彼 第二」より 著者:芥川竜之介
間|谷崎潤一郎《たにざきじゅんいちろう》の『悪魔』と云う小説を読んだがね、あれは
恐らく世界中で一番|汚《きたな》いことを書いた小説だろう。」
(何箇月かたった後....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
う未練ではない。もっと下等な、相手があの女である必要のない、欲望のための欲望だ。
恐らくは傀儡《くぐつ》の女を買う男でも、あの時の己ほどは卑しくなかった事であろう....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
はそう思わない。少くともあの時は、あいつも真面目にそう感じていたのだろうと思う。
恐らくは今度もまた、首が落ちると同時に(新聞の語《ことば》をそのまま使えば)やは....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
三十七貫と言うのですから、太刀山《たちやま》にも負けない大男だったのです。いや、
恐らくは太刀山も一籌《いっちゅう》を輸《ゆ》するくらいだったのでしょう。現に同じ....
「或日の大石内蔵助」より 著者:芥川竜之介
子を後《うしろ》にして、端然と膝を重ねたまま、さっきから書見に余念がない。書物は
恐らく、細川家の家臣の一人が借してくれた三国誌の中の一冊であろう。
九人一つ座....
「西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
でもシャツの袖口でも、皆新しい白い色を、つめたく肉の上へ硬《こわ》ばらしている。
恐らく学者とか何とか云う階級に属する人なので、完《まった》く身なりなどには無頓着....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
勿論処女らしさ崇拝は処女崇拝以外のものである。この二つを同義語とするものは
恐らく女人の俳優的才能を余りに軽々に見ているものであろう。
礼法
或....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
うむ》るのにきまっている。常子も――おお、「弱きものよ汝の名は女なり」! 常子も
恐らくはこの例に洩《も》れず、馬の脚などになった男を御亭主《ごていしゅ》に持って....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
《さかのぼ》っても、彼に関する記録は、随所に発見される。その中で、最も古いのは、
恐らくマシウ・パリスの編纂したセント・アルバンスの修道院の年代記に出ている記事で....
「「菊池寛全集」の序」より 著者:芥川竜之介
好い。この道徳的意識に根ざした、リアリスティックな小説や戯曲、――現代は其処に、
恐らくは其処にのみ、彼等の代弁者を見出したのである。彼が忽ち盛名を負ったのは、当....
「島木赤彦氏」より 著者:芥川竜之介
れだけは夢の覚めた後もはっきりと記憶に残っていた。上の五文字は忘れたのではない。
恐らくは作らずにしまったのであろう。僕はこの夢を思い出す度に未だに寂しい気がして....
「ファラデーの伝」より 著者:愛知敬一
を知っている人は、簡単な器械でその答を得ることをも知っている。この能のない人は、
恐らく多くの器械を手にしても、良い結果は得られまい」というのが、ファラデーの意見....