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恐怖
「恐怖〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恐怖の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
かしそれだけに目の醒《さ》めた後は一層彼を見じめにした。玄鶴はいつか眠ることにも
恐怖に近い不安を感ずるようになった。
大晦日《おおみそか》もそろそろ近づいた或....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
ていた。実を云えばその瞬間、私は驚愕《きょうがく》――と云うよりもむしろ迷信的な
恐怖に近い一種の感情に脅《おびや》かされた。また実際その男は、それだけのショック....
「影」より 著者:芥川竜之介
老女は驚いた眼を主人へ挙げた。すると子供らしい房子の顔には、なぜか今までにない
恐怖の色が、ありありと瞳《ひとみ》に漲《みなぎ》っていた。
「どう遊ばしました?....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
のです。」
オルガンティノは十字を切った。が、老人はその印《しるし》に、少しも
恐怖を示さなかった。
「私は悪魔ではないのです。御覧なさい、この玉やこの剣を。地....
「河童」より 著者:芥川竜之介
とも油断せずにじっと相手をうかがっていました。というのはどちらも同じように相手を
恐怖していたからです。そこへこの国にいた獺が一匹、ある河童の夫婦を訪問しました。....
「彼」より 著者:芥川竜之介
かった。が、資本だの搾取《さくしゅ》だのと云う言葉にある尊敬――と云うよりもある
恐怖《きょうふ》を感じていた。彼はその
恐怖を利用し、度たび僕を論難した。ヴェルレ....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
まった》く万一己が承知しない場合に、袈裟が己に加えようとする復讐《ふくしゅう》の
恐怖からだった。いや、今でも猶《なお》この
恐怖は、執念深く己の心を捕えている。臆....
「首が落ちた話」より 著者:芥川竜之介
痛のためにのみ、呻吟《しんぎん》していたのではない。精神的な苦痛のために――死の
恐怖を中心として、目まぐるしい感情の変化のために、泣き喚《わめ》いていたのである....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
りのける事が出来るかどうか、疑わしいのは勿論であった。だから彼もしばらくの間は、
恐怖と驚愕《きょうがく》とを代る代る醜い顔に表しながら、ただ、漫然と自失した眼《....
「将軍」より 著者:芥川竜之介
は、こう云う砲撃の中に機《き》を待ちながら、やはり平生の元気を失わなかった。また
恐怖に挫《ひし》がれないためには、出来るだけ陽気に振舞《ふるま》うほか、仕様のな....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
よう》も感じない代りに、知《し》らず識《し》らず友人を傷つけることには児女に似た
恐怖を感ずるものである。
弱者とは友人を恐れぬ代りに、敵を恐れるものである。こ....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
も古本屋を前に見たまま、一足《ひとあし》ずつ後へ下り出した。この時の俺の心もちは
恐怖と言うか、驚愕《きょうがく》と言うか、とうてい筆舌《ひつぜつ》に尽すことは出....
「墓」より 著者:秋田滋
世の人ではなくなってしまったのです。 断末魔の苦しみがつづいている間は、驚きと
恐怖のあまり、わたくしにはもう何がなにやら解らなくなり、落ついて物を考えることな....
「ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
私は気分を変えようとして旅に出たこともある。だが、知らぬ他国にあって感じる孤独が
恐怖の念をいだかせた。私には自分がこの地上にたッたひとりで生きている余りにも小ッ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
うことだった。スリーピー・ホローの善良なひとびとは、夕方家の戸口に腰かけながら、
恐怖に満たされて、彼の鼻声の歌をきいたことがしばしばあった。その歌は、「長々と美....