恐水病[語句情報] » 恐水病

「恐水病〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恐水病の前後の文節・文章を表示しています。該当する9件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
星座」より 著者:有島武郎
弁《のうべん》になった。彼が能弁になるのは一種の発作《ほっさ》で、無害な犬が突然恐水病にかかるようなものだ。じくじくと考えている彼の眼がきゅうに輝きだして、湯気....
畜犬談」より 著者:太宰治
れから二十一日間、病院へ通ったのである。三週間である。脚の傷がなおっても、体内に恐水病といういまわしい病気の毒が、あるいは注入されてあるかもしれぬという懸念《け....
苦しく美しき夏」より 著者:原民喜
のようなものが、彼の眼の片隅にある。それは黄色いワン・ピースを着た妻であったが、恐水病患者の熱っぽい眼に映る幻のようでもあった。今にも息が杜絶《とだ》えそうな観....
やどなし犬」より 著者:鈴木三重吉
のやかましい法令をつくり、ついで衛生上のことにもあれこれと手をつくし出した結果、恐水病をふせぐために、町中に、のら犬を歩かせないことにきめてしまいました。その手....
カラマゾフの兄弟」より 著者:ドストエフスキーフィヨードル・ミハイロヴィチ
の? そんなことを言う場合じゃありませんよ……それに、その子供はひょっとしたら、恐水病にかかってるかもしれないじゃないの」 「あら、お母さん! 恐水病の子供なん....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
の姿はあたかもそれと同様であった。いろいろに宥めても賺しても無駄であるばかりか、恐水病にでも罹っているようなこの犬に咬みつかれて、なにかの毒にでも感じてはならな....
話の種」より 著者:寺田寅彦
間の眼には見えぬ紫外光線でもよく感じ、この光を当てると嫌って逃げると云っている。恐水病の予防 昨年中パリのパストゥール免疫所で狂犬に噛まれた人のために恐水病予....
犬神」より 著者:小酒井不木
ある日注射をしてくれる医師にその話をすると、医師は、この研究所の予防注射を受けて恐水病にかかったものはいまだ一人もないといって慰めてくれた。そうだ。恐水病! 水....
私本太平記」より 著者:吉川英治
犬神憑きです。そのあわれな一人でございまする」 犬神|憑きとは。 いまでいう恐水病、あの狂犬病のことだろうか。 鎌倉の戦後には、それに類した病症の男女が焦....