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恕
「恕〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恕の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の時、内田の奥さんに内田の悪口をいって、ペテロとキリストとの間に取りかわされた寛
恕《かんじょ》に対する問答を例に引いた。いゝえ、それはきょうした事だった。きょう....
「或る女」より 著者:有島武郎
てその責めを果たさなかったのは誠にすまないが、自分たちの力では手に余るのだから推
恕《すいじょ》していただきたいと書いてあった。で、五十川女史は田川夫人がいいかげ....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
せり。ああはたして仁なりや、しかも一人の渠《かれ》が残忍|苛酷《かこく》にして、
恕《じょ》すべき老車夫を懲罰し、憐《あわれ》むべき母と子を厳責したりし尽瘁《じん....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
。そして何故に現在の宗教がその権威を失墜してしまったか。昔は一国の帝王が法王の寛
恕を請うために、乞食の如くその膝下に伏拝した。又或る仏僧は皇帝の愚昧なる一言を聞....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
は占星術の反対者に対して最期まで闘った。『これらの人々、特に神学者や哲学者らを寛
恕すべき点があるとすれば、それは彼らがこの術(占星)について絶対に無知識であると....
「耽溺」より 著者:岩野泡鳴
性のそこひが出るのだと聴いていたのが、今さら思い出されて、僕はぞッとした。 「寛
恕して頂戴よ」と、僕の胸に身を投げて来た吉弥をつき払い、僕はつッ立ちあがり、「お....
「海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
一、時期急迫ノ為メ、親族知己友人諸兄姉ニ訣別スル余裕無カリシヲ遺憾ニ思フ、乞フ
恕セヨ 一、御近所ノ皆々様、御挨拶モ申サズ、日頃ノ御礼言モ申述ベズ、御先へ参リマ....
「軍用鼠」より 著者:海野十三
て腰にぶら下げてあった手拭を取って、卓子の上を綺麗に拭った。そしてワイトマンの宥
恕を哀願したのだった。 「レッド。勘弁ならぬところだが、今日のところは大目に見て....
「化銀杏」より 著者:泉鏡花
なり。 渠はしかく活きながら暗中に葬り去られつ。良人を殺せし妻ながら、諸君請う
恕せられよ。あえて日光をあびせてもてこの憐むべき貞婦を射殺すなかれ。しかれどもそ....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
い当てられました。これにはさすがの私も我慢の角を折り、とうとう一|切を懺悔してお
恕しを願いました。その為めに私は割合に早くあの地獄のような境地から脱け出ることが....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もいうのだろう」 次の朝、わたしはきのう午後における自分の常軌を逸した行為を寛
恕してくれるようにと、キッティのところへ謝罪の手紙を送った。しかも私の女神はまだ....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
もので、それがために言葉が多少粗暴になるのも、挙動が多少調子外れになるのも、まあ
恕すべきであると考えたであろう。僕もまた、僕の一部的説明の熱情が相当の効果をもた....
「俳優倫理」より 著者:岸田国士
傾向があります。これは一体どういうわけかと考えて見ると、これには実際無理もない、
恕すべき点があるのです。自分の偉くなった理由について自ら顧るということが、俳優の....
「百喩経」より 著者:岡本かの子
するものである。で、文章の表現が、いくらか前時代のものであると感ぜらるるならば了
恕して頂き度い。ただ、仏教なる真理を時代に応じてクリエーションして行く者は芸術家....
「迷信解」より 著者:井上円了
ずるは、すべて迷信といわねばならぬ。古代のごとき人知のいまだ進まざりしときならば
恕すべきも、今日のごとき教育も普及し、学問も開け、わが国はいわゆる東洋第一の文明....