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恢復
「恢復〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恢復の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
するだろう。そうしてその時は、日本が古今に比倫のない大伝奇を持つ時だ。」
彼は
恢復《かいふく》した自信をいたわりながら、細い小路を静かに家の方へ曲って行った。....
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
失礼をも顧ず、参上致したような次第でございます。」
ようやく最初のショックから
恢復した私は、その男がこう弁じ立てている間に、始めて落着いて相手を観察した。彼は....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
ていたのである。そこで内供は、積極的にも消極的にも、この自尊心の毀損《きそん》を
恢復《かいふく》しようと試みた。
第一に内供の考えたのは、この長い鼻を実際以上....
「神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
《よ》も三更《さんこう》に近づいた頃、オルガンティノは失心の底から、やっと意識を
恢復した。彼の耳には神々の声が、未だに鳴り響いているようだった。が、あたりを見廻....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
の上あんなに食気《しょっけ》までついたようでは、今まで心配していたよりも、存外|
恢復《かいふく》は容易かも知れない。――洋一は隣を覗きながら、そう云う嬉しさにそ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
いと顔をしかめて、冷《つめた》くなった珈琲を飲み干すと、すぐに以前のような元気を
恢復して、
「僕は行こうと思っている。君は?」
「僕は今朝《けさ》郁文堂《いくぶ....
「忠義」より 著者:芥川竜之介
一 前島林右衛門《まえじまりんえもん》
板倉修理《いたくらしゅり》は、病後の疲労が稍《やや》
恢復すると同時に、はげしい神経衰弱に襲われた。――
肩がはる。頭痛がする。日....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
れない幻《まぼろし》の中を彷徨《ほうこう》した後《のち》やっと正気《しょうき》を
恢復した時には××胡同《ことう》の社宅に据《す》えた寝棺《ねがん》の中に横たわっ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
車へ飛び乗って、すいているのを幸と、まん中の座席へ腰を下したそうです。すると一時
恢復したように見えた疲労が、意地悪くまだ残っていたのか、新蔵は今更のように気が沈....
「さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
を二枚に、羊蹄《ブラッドワアト》の葉を一枚、麦酒《ビイル》にまぜて飲むと、健康を
恢復すると云う秘法を教えてやったそうである。次いで、前に云ったムウニッヒを過ぎて....
「小さき者へ」より 著者:有島武郎
たように痛かった。しかも事実は事実だ。私はその点で幸福だった。お前たちは不幸だ。
恢復《かいふく》の途《みち》なく不幸だ。不幸なものたちよ。
暁方《あけがた》の....
「星座」より 著者:有島武郎
るようにも思いながら。
その夜はしかし思うようには寝つかれなかった。彼の疲労が
恢復《かいふく》したのかもしれなかった。あるいは神経がさらに鋭敏になり始めたのか....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
鳴った。 「へ――い、」 と謹んだ返事が響く。教頭はこれに因って、大にその威厳を
恢復し得て、勢に乗じて、 「貴娘に聞く事があるのですが、」 「はい。」 「参謀本....
「唄立山心中一曲」より 著者:泉鏡花
、幾度も接続を試みますうちに、うかと記憶に残ったのです。のち四時間、やっと電線が
恢復して(ヨキカ)と受信しましたのです。謹んで謝罪いたします。」 と面を上げ、....
「近藤浩一路氏」より 著者:芥川竜之介
近君に会った時、君は神経衰弱も癒ったとか云って、甚元気らしい顔をしていた。健康も
恢復したのには違いないが、その間に君の名声が大いに挙り出したのも事実である。自分....