恨みがましい[語句情報] » 恨みがましい

「恨みがましい〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恨みがましいの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
放浪」より 著者:織田作之助
来た。 ところが、村での葬式を済ませた時、ふと気が付いてみると、やはり金造には恨みがましい言葉は一言もいわなかった様だった。くどく持ち出された三十円の金を、弁....
出世」より 著者:菊池寛
して、悠然と腰を下していた。が、大男の方も、小男の手伝いをせぬことを、当然として恨みがましい顔もしなかった。 譲吉は、その頃よく彼らの生活を考えてみた。同じ下....
金魚撩乱」より 著者:岡本かの子
、復一はほとんどこの古池に近寄らなかった。ときどきは鬱々として生命を封付けられる恨みがましい生ものの気配いが、この半分|古菰を冠った池の方に立ち燻るように感じた....
稲生播磨守」より 著者:林不忘
ろという言葉もある。いや、さような俗言を藉《か》らずとも、先は殿だ。何のおれに、恨みがましい気持ちがあってなるものか。そんな心は微塵《みじん》もないぞ。(言いき....
」より 著者:海野十三
女を手に入れることは出来ないであろうと思った。――彼女は、もうこうなれば、彼から恨みがましい言葉を聞いたときには、なにもかもその場に勇敢にぶちまけて、彼の卑屈な....
巴里祭」より 著者:岡本かの子
日、あの人に遊ばせて貰えたかも知れなかったわよ。」 彼女の声には真実少し卑しい恨みがましい調子があった。すると彼女から遊離して居た新吉に急に反撥心が出て来た。....
霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
た。無論あの海嘯で相当沢山の人命が亡びたのでございますが、心掛の良い遺族は決して恨みがましいことを申さず、死ぬのも皆寿命であるとあきらめて、心から御礼を述べてく....
フランダースの犬」より 著者:菊池寛
ものにされるのかしらと、かなしい、さびしいおもいを抱くのでしたが、ネルロは決して恨みがましいことは口に出しませんでした。ひとりずっと、心の中のかなしみに堪えてい....
源氏物語」より 著者:紫式部
ぞ見ゆる朝露のいかに置きける名残なるらん 貴女らしく美しく書かれてあった。 「恨みがましいことを言われるのも迷惑だ。ほんとうは私はまだ当分気楽にあなたとだけ暮....
紅毛傾城」より 著者:小栗虫太郎
ゃれよ。日がなそなたの呼吸を、首ばかりでのう、嗅いでおる儂をな」 と、横蔵が、恨みがましい言葉を口にしたように、何よりフローラは、彼の艶々しい髪の毛に魅せられ....
火の扉」より 著者:岸田国士
をあげて彼にほゝえみかけた。 彼はなが居はしない。――あら、もう? と、いわば恨みがましい夫人の口調ぐらい彼の耳をこころよくくすぐるものはないからである。 ....
光は影を」より 著者:岸田国士
、バラの栽培に移ろうとした頃、毎週一度は手紙の往復を欠かさなかつた小萩から、やゝ恨みがましい文句をならべた便りが来た。 とうとう四月になつてしまいました。そんな....
巷説享保図絵」より 著者:林不忘
う途《みち》は、じぶんの望みを殺すよりほかない。それが何よりも尊いまことなのだ。恨みがましいことは一言も口に出しますまい。今夜からすこしでも変わったなどと思われ....
活人形」より 著者:泉鏡花
、泰助も涙ぐみぬ。 美人はまた、「あれ堪忍して下さいましよ。貴女は仮にも母様、恨みがましいことを申して済みませんでした。でももう神様も、仏様も、妾を助けて下さ....
放浪」より 著者:織田作之助
けて来た。 が、村での葬式を済ませた時、ふと気が付いてみると、やはり、金造には恨みがましい言葉は一言もいわなかった様だった。くどく持ち出された三十円の金を、弁....