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恩人
「恩人〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恩人の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
《だんろ》からでも、自由自在に出て行かれます。ついてはどうか呉々《くれぐれ》も、
恩人「ぽうろ」の魂のために、一切|他言《たごん》は慎《つつし》んで下さい。
....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
葉を遣ってくださいよ。ほんとに凛々《りり》しくって、私は書生言葉は大好きさ」 「
恩人に向かって済まんけれども、それじゃぞんざいな言葉を遣おう」 「ああ、それがい....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
授、文学士酒井俊蔵の愛娘である。 父様は、この家の主人、早瀬主税には、先生で大
恩人、且つ御主に当る。さればこそ、嬢|様と聞くと斉しく、朝から台所で冷酒のぐい煽....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
社会はかくの如き人の動機の如何は顧慮することなく、直ちに彼に与えるのに社会人類の
恩人の名を以てする。それには智的生活にあっては奨励的にそうするのが便利だからだ。....
「歌行灯」より 著者:泉鏡花
分の働きでそうした訳じゃないのだから。――聞きねえ、親なり、叔父なり、師匠なり、
恩人なりという、……私が稼業じゃ江戸で一番、日本中の家元の大黒柱と云う、少兀の苦....
「女客」より 著者:泉鏡花
るんですよ。こうした私じゃありませんか。」 「貴女でなくッて、お民さん、貴女は大
恩人なんだもの。」 「ええ?
恩人ですって、私が。」 「貴女が、」 「まあ! 誰....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
覚めたか?――そう言葉をかけられた時のうれしさ! 俺はてっきり自分を救ってくれた
恩人であろうと思って、お名前は? と訊ねると、お爺さんはにっこりして、汝は最早現....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
丈け与って力あるか測り知れないものがある。彼は正しく斯界の権威であると同時に、大
恩人でもあった。 さてこの『霊訓』であるが、これにつきては、モーゼス自身が、そ....
「明治十年前後」より 著者:淡島寒月
忍月、依田百川などの諸君に、それを見せることが出来たのである。 西鶴は私の四大
恩人の一人であるが、私が西鶴を発見したことに関聯してお話ししたいのは、福沢先生の....
「雪霊記事」より 著者:泉鏡花
す。 それは、――そこは――自分の口から申兼ねる次第でありますけれども、私の大
恩人――いえいえ
恩人で、そして、夢にも忘れられない美しい人の侘住居なのであります....
「良夜」より 著者:饗庭篁村
の仏手に掏い出されて無熱池に放されたるように我身ながら快よく思われて、造化広大の
恩人も木も石も金もともに燬くるかと疑わるる炎暑の候にまたかくの如く無尽の涼味を貯....
「取舵」より 著者:泉鏡花
学生の好意を謝したりき。 船室に在りて憂目に遭いし盲翁の、この極楽浄土に仏性の
恩人と半座を分つ歓喜のほどは、著くもその面貌と挙動とに露れたり。 「はい、もうお....
「多神教」より 著者:泉鏡花
、お霜婆さんの、ほれ、駄菓子屋の奥に、ちらちらする、白いものがあっけえ。町での御
恩人ぞい。恥しい病さあって隠れてござるで、ほっても垣のぞきなどせまいぞ、と婆さん....
「葛飾砂子」より 著者:泉鏡花
「はい取って下さいまし、」とやっといったが、世馴れず、両親には甘やかされたり、大
恩人に対し遠慮の無さ。 七兵衛はそれを莞爾やかに、 「そら、こいつあ単衣だ、も....
「式部小路」より 著者:泉鏡花
帯のおもり役。 とここまで……愛吉にお賤が言って聞かせて、見なさい、そういう御
恩人だ、といっても、奴泡を吹いて、ブウブウの舌を引込ませない。 日本一のお嬢さ....