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「恩恵〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩恵の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
十円札」より 著者:芥川竜之介
らず」の前につむじ風に面するたじろぎを感じた。のみならず窮状を訴えた後《のち》、恩恵を断るのは卑怯《ひきょう》である。義理人情は蹂躙《じゅうりん》しても好《い》....
侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
は便宜の異名である。「左側通行」と似たものである。 * 道徳の与えたる恩恵は時間と労力との節約である。道徳の与える損害は完全なる良心の麻痺《まひ》であ....
宣言一つ」より 著者:有島武郎
の革命を起こしたと称しているけれども、ロシアにおける民衆の大多数なる農民は、その恩恵から除外され、もしくはその恩恵に対して風馬牛であるか、敵意を持ってさえいるよ....
想片」より 著者:有島武郎
葉を驕慢《きょうまん》な言葉とは思わない。この時エマソンはホイットマンに向かって恩恵の主たることを自負しうるものだろうか。ホイットマンに詩人がいなかったならば、....
後世への最大遺物」より 著者:内村鑑三
はプラトンの本もまたアリストテレスの本も読んだことはない、ただイエス・キリストの恩恵《めぐみ》にあずかった憐れなる罪人であるから、ただわが思うそのままを書くので....
生きている腸」より 著者:海野十三
矢は、学歴においては数十歩先輩の熊本博士を百パーセントに利用し、すくなからぬその恩恵に浴しているくせに、熊本博士をつねに奴隷のごとく使役した。 「腸《はらわた》....
惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
結果に過ぎないのではないか。 若し愛が片務的に動いた場合に、愛するということを恩恵を施すという如く考えている人には、愛するという行為に一種の自己満足を感ずるが....
クララの出家」より 著者:有島武郎
によりて諸善の胎たるべし。肉の世の広きに恐るる事|勿れ。一度恐れざれば汝らは神の恩恵によりて心の眼さとく生れたるものなることを覚るべし」 クララは幾度もそこを....
宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
い。すなわち、幾十億年の昔から今日まで太陽の光熱はほとんどいつも同じ程度に豊富な恩恵を地球に授けてきたに相違ないと説くのである。それで、マイヤー(Mayer)は....
駆逐されんとする文人」より 著者:内田魯庵
ものが家賃の安い処へと段々引込まざるを得なくなるのは悲惨である。同じ交通の便利の恩恵を受けるにも両様の意味がある。 ▲戸川秋骨君が曾て大久保を高等|裏店だと云....
二十五年間の文人の社会的地位の進歩」より 著者:内田魯庵
」の愛読者であった。小生ばかりでなく、当時の貧乏なる読書生は皆此の「大家論集」の恩恵を感謝したであろう。 博文館が此の揺籃地たる本郷弓町を離れて日本橋の本町―....
かの女の朝」より 著者:岡本かの子
クの蹂躙の為めに荒された道路だ、――良民の為めに――の憤りも幾度か覚えた。だが、恩恵もあるのだ。 ――ねえパパ、此のO家の為めに我々は新鮮な空気が吸える、と思....
『地球盗難』の作者の言葉」より 著者:海野十三
う人は皆無だった。 ところが今や世はあげて、科学|隆興時代となり、生活は科学の恩恵によって目まぐるしいまでに便利なものとなり、科学によって生活程度は急激なる進....
二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
けないでも免状を与えようという校長の内諭もあったが、気に喰わない学校の卒業証書を恩恵的に貰う必要はないと、キビキビ跳付けてプイと退学してしまった。 が、この頓....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
み切り、恨んで恨み切り、というせっぱ詰まった気持ちに陥りません。必ず一部、長所と恩恵とを認めて、これを善用します。仏教ほど敵や讐の効能を説く教えは他にありません....