恩知らず[語句情報] » 恩知らず

「恩知らず〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恩知らずの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
去年」より 著者:伊藤左千夫
ておったのだから滑稽じゃないか。 子を育てないやつは社会のやっかい者だ。社会の恩知らずだ。僕らのようにたくさんの子を育てる者に対して、国家が知らぬふうをしてい....
母子叙情」より 著者:岡本かの子
ぶ脚につれて、互い違いに太いズボン口へ向けて削ぎ下った。 「薄情、馬鹿、生意気、恩知らず――」 こんな悪たれを胸の中に沸き立たせながら、小走りになってむす子を....
鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
という以外に、何の新発見もなかった。 「それ見ろ。なんにもないじゃないか。貴様は恩知らずだ。底の知れない鈍物《どんぶつ》だ。ああ貴様のような奴は、もうわしのとこ....
天馬」より 著者:金史良
することにつけ込んで、人の好意を利用するなんて絶対に許されん。莫迦奴! そんなに恩知らずだとはわしは始めて分った!」それから自分の語調に感動しついには興奮してし....
爆薬の花籠」より 著者:海野十三
船に、助けてやったからなあ。ところで、お前は、おれのいうことを聞かない。そういう恩知らずのお前なんぞを、これ以上、だれが助けておくものか」 トラ十は、ピストル....
火星兵団」より 著者:海野十三
人類のために力を貸そうとはしないのである。 「今になって出ていくか。いよいよこの恩知らずめが!」 博士は、口ぎたなく先生をののしった。先生は、すっくと立上った....
家なき子」より 著者:楠山正雄
わたしは好んでバルブレンの手に落ちる危険をおかすよりも、バルブレンのおっかあから恩知らずの子どもだと思われているほうがましだと思った。 でも手紙こそ書き得なか....
世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
笑をうかべながら、温和な職業的態度で私を見廻って来るので、しまいには私も、おれは恩知らずの、性の悪い病人だと恥じるようになった。しかし、これから私が話すことが幻....
怪しの者」より 著者:国枝史郎
かかれ!」 船大工たちは口惜しそうに、口々に詈りました。 「畜生、鶴吉!」 「恩知らず!」 ――しかし棟領の秘蔵の娘を、人質にとられているのですから、かかっ....
博物誌」より 著者:岸田国士
ヌの時代に住んでるんじゃないからね」と、懐疑主義者の鷓鴣の子が言う。「勿論、君が恩知らずだって言うんじゃないよ。だけど、僕を撃ち殺そうとしてる猟師の踵に、いった....
大捕物仙人壺」より 著者:国枝史郎
となく憂鬱に云った。「それで、随分怒っているだろうね」 「ああ随分怒っているよ。恩知らずの不幸者だってね。……そう親方が云うんだよ」 「実の親でもない癖に」お錦....
光り合ういのち」より 著者:倉田百三
は学芸への愛を持たぬものを軽蔑することを知っているが、祖国への愛に目ざめぬことが恩知らずであることに気づかず、司たちは祖国への愛なきものを憎むことを知って、学芸....
剣侠」より 著者:国枝史郎
門に捧げた女――澄江とか云った武家の娘を、奪い去ったことを思い出した。 「畜生、恩知らず、たたんでしまえ!」 「やれ!」 ダ、ダ、ダ、ダ! ―― 乾児達だ!....
娘煙術師」より 著者:国枝史郎
て、スーッと上へ引き上げられて、煙りばかりが暗さの中に、白い渦を巻いていた。 「恩知らずのお方でございますこと。せっかく親切に莨のお火を、お貸ししたではありませ....
女侠伝」より 著者:岡本綺堂
あいだに恋愛関係が生じて来ると、眼のさとい李は忽ちにそれを看破して、揃いも揃った恩知らずめ、義理知らずめと、彼はまず周に対して残虐な仕置を加えた。彼は崔の見る前....