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「息切れ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

息切れの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
のんきな患者」より 著者:梶井基次郎
られたり、今日こそは医者を頼もうかと思ってはむだに辛抱をしたり、いつまでもひどい息切れを冒しては便所へ通ったり、そんな本能的な受身なことばかりやっていた。そして....
富士」より 著者:岡本かの子
しに残れる僅かないのちの重味にさえ堪え兼ねている」 「この堪えられない程、烈しい息切れと、苦しい動悸のする身体。つくづく情無さを感ずる。呼吸を吸い込むと胸の中に....
夫婦善哉」より 著者:織田作之助
、やはり折檻を怖《おそ》れて蒼くなった。そろそろ肥満して来た蝶子は折檻するたびに息切れがした。 柳吉が遊蕩に使う金はかなりの額だったから、遊んだあくる日はさす....
奈々子」より 著者:伊藤左千夫
な一語を耳にはさんで、走りに走った。走れば十分とはかからぬ間なれど肥った自分には息切れがしてほとんどのめりそうである。ようやく家近く来ると梅子が走ってきた。自分....
親子」より 著者:有島武郎
土の坂を登らなければならない。ちょうど七十二になる彼の父はそこにかかるとさすがに息切れがしたとみえて、六合目ほどで足をとどめて後をふり返った。傍見もせずに足にま....
蠅男」より 著者:海野十三
のですよ」 看護婦の君岡に抱えられ再びベッドの上に移されながら、傷つける帆村は息切れの入った減らず口を叩いていた。 焼屍体の素性 「機関銃に撃たれた警官....
わが町」より 著者:織田作之助
という気持には、到底なれないらしかった。そろそろ肥満して来た蝶子は折檻するたびに息切れした。 柳吉が遊びに使う金はかなりの額だったから、遊んだあくる日はさすが....
宇宙戦隊」より 著者:海野十三
は、金切声で、助手たちの後から叫んだ。 駆けだす天幕の足は早かった。助手たちは息切れがしてきた。そして天幕との距離はだんだん大きくなっていく。 「撃とう。仕方....
火星兵団」より 著者:海野十三
つけたまま、ふうふうと苦しい息をはいた。何かどなりつけてやりたかったが、あまりに息切れがはげしくて、声を出そうにも、声が出なかった。 下になっている火星人は、....
歯車」より 著者:芥川竜之介
いか、丁度梯子段の前にある、薄暗い茶の間へ顔を出した。すると妻は突っ伏したまま、息切れをこらえていると見え、絶えず肩を震わしていた。 「どうした?」 「いえ、ど....
ルネ・クレール私見」より 著者:伊丹万作
形式との間に重大なる破綻があり、「最後の億万長者」の場合は思想のない諷刺のために息切れがしているのである。ことにあのラストのあたりはつまらぬ落語の下げのようで私....
」より 著者:織田作之助
がら、あたり構わずいやな咳をまき散らすからだ。時には手帛を赤く染め、またはげしい息切れが来て真青な顔で暗い街角にしゃがんだまま身動きもしない。なにか動物的な感覚....
決闘場」より 著者:岡本かの子
で居たかった。醜く腫れ上り更に鼻血や脂汗で泥土のように汚ごした顔を、疼痛と憤怒と息切れでもみくちゃにひんまげた男達は、最早や彼女の友達ではない。勿論恋人に出来そ....
勝ずば」より 著者:岡本かの子
見ていられなかった。少し離れた畳の上にうずくまると、隣町から駈け続けて来た自分の息切れを、やっとこの時急に感じ出して喘いだ。 喘ぎながら多可子は、僅か十四の政....
わが町」より 著者:織田作之助
。この歯を抜いてもろた時の借金や。」 他吉は口をあけて、奥歯を見せたが、なにか息切れして、苦しそうであった。二十何年か前、婿の新太郎がマニラから寄越した手紙で....