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息抜
「息抜〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
息抜の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「東海道五十三次」より 著者:岡本かの子
努めた。そして灰吹に烙印してある吐月峰という文字にも、何かそういった憐れな人間の
息抜きをする意味のものが含まれているのではないかと思うようになった。 父は私と....
「地虫」より 著者:小栗虫太郎
こで覚えてきたんだ。君は、鯨蝋をエーテルに混ぜて、この中に詰めて置いたね。そして
息抜けを作って、鍵穴の中に隠しておいたのだ。すると、摂氏十度でこれが氷結する。と....
「大阪発見」より 著者:織田作之助
の停留所から難波へ行く道の交番所の隣にあるしるこ屋で、もとは大阪の御寮人さん達の
息抜き場所であったが、いまは大阪の近代娘がまるで女学校の同窓会をひらいたように、....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
が饐えかけたりしている。浴室へ行けばぬるりと辷るし、暗くて狭くて、天井が低くて、
息抜きも無ければ、上り湯もない。歪形のペシャンコの亜鉛の洗面器が一つ放ったらかし....
「娘煙術師」より 著者:国枝史郎
たとい私たちが出入りをしたにしても、それはほんの憂さ晴らしでもあり、いい換えれば
息抜きでもあるのだよ。もっともあそこにいるああいう人たちへ、私たちの思惑を伝える....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
合い、カーッという恐ろしい声に打たれ、タジタジと二、三歩後へ退った。間髪を入れず
息抜き気合い、エイ! という声がまた掛かった。と四番目の人物は、バッタリ大地へ膝....
「春泥」より 著者:久保田万太郎
。――その間で、倭のほうは、幾たびか歌舞伎座の檜舞台に成功したあと、座員をつれて
息抜に洋行したり、小さいながら東京の真ん中に自分の持小屋を建てたりして並びない全....
「アーニイ・パイルの前に立ちて」より 著者:小林一三
々同人の集まる、袖すり合えば多生の縁ありという、その緑の下の力持ちをする同人達の
息抜きクラブである。このクラブに泊ることが出来たゆえに、久しぶりで上京したのであ....
「夜明け前」より 著者:島崎藤村
くに住む相撲取りも訪ねて来る。かみさんを力にして、酒の席を取り持つ客商売から時々
息抜きにやって来るような芸妓もある。かみさんとは全く正反対な性格で、男から男へと....
「犬を連れた奥さん」より 著者:神西清
こにもう二年も暮していること、ヤールタにはまだひと月ほど滞在の予定なこと、良人も
息抜きをしたがっているから多分あとからやって来るだろうこと、そんな話を聞き出した....
「チェーホフ試論」より 著者:神西清
りそこには何か或る信念のようなもの、或いは夢想のようなものもあって、それが絶えず
息抜きの働らきをしていたのではあるまいか。……なるほどそう言えば、チェーホフには....
「ヒウザン会とパンの会」より 著者:高村光太郎
頃、新進気鋭の士の集合であり、当時洋画会の灰一色のアカデミズムにあきたらぬ連中の
息抜き場であった。 琅※洞を本拠として、多士済々、大体三つのグルウプに分れ、中....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
(リアリズム一般)に自ら耐え得ないと称して、如何にして文学の内にリアリズムからの
息抜きか遁れ口かを見つけ出すか、という模索が後者の動機である。 文学の通俗性(....
「読書法」より 著者:戸坂潤
役買った結果に他ならない。第三の要点は、この悪魔的ペシミズムの哲学にとって唯一の
息抜きである理想郷エルドラドーであり、そこで発見される処の「科学」への信頼と希望....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
るのですね」 「左様さ、あれは数百年に一度ある山の怒りでございまして、これは山の
息抜きですから性質が違います。そのうち、わしは焼《やけ》へ参って噴火の本元を見届....