» 恰度

「恰度〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

恰度の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
霊訓」より 著者:浅野和三郎
いものはない。で、彼等は何とかしてこの苦痛を医すべく、昔|馴染の魔窟に出入して、恰度自分に誂向きの犠牲者を捜し出し、人知れずその体内にくぐり込んで、酒色の慾を満....
一寸怪」より 著者:泉鏡花
返事をして、また同じ方法で、次の人の膝へ手を置くという風にして、段々順を廻すと、恰度その内に一人返事をしないで座っている人が一人増えるそうで。 「本叩き」という....
J・D・カーの密室犯罪の研究」より 著者:井上良夫
類。 (一)、密室内に行われたことが、実は殺人でなく、偶然に起ったことが重なり、恰度殺人が行われたように見えるもの。――一例を挙げてみると、部屋が密閉される前に....
感応」より 著者:岩村透
を叩いていうには、「それじゃ、全く私の声だったかもしれない、というのは、その日は恰度、○○の大戦争があった日なので、私もその時に、この足をやられて遂に仆れたのだ....
不吉の音と学士会院の鐘」より 著者:岩村透
此処になるのだが、その倫敦から帰ってきた時は、恰かもその妻は死に瀕していた時で、恰度妹がいて妻の病を看ていた。その時部屋の窓の外に当って、この時の音は少し消魂敷....
幼き頃の想い出」より 著者:上村松園
絵本類に懐かしい追憶を昂めました。 今更私が解き出すまでもありませんが、それは恰度「新編水滸伝」の※絵全部の返却を強要して、又々書肆を板挾みの苦しみに陥れまし....
京の夏景色」より 著者:上村松園
り暑いと少々身にこたえて弱ります。 なんといっても気がしまっていいのは十月頃、恰度、きんもくせいが匂うような頃は一番頭がすっきりして身も軽うなる心地がすることです。(談)....
恐しき通夜」より 著者:海野十三
エロ・ダンスへ移り、アパッシュ・ダンスを観た。C子が僕と踊りたいといい出したのは恰度その頃だった。僕は一応それを押しとどめたが、それは無論、手だった。興奮しきっ....
壊れたバリコン」より 著者:海野十三
日々を楽しもうかと、あれやこれやの計画を思いつづけていました。その時のことです。恰度その時のことです。―― 不図気のついた僕は、受話器の底に極く微か乍らヒュー....
三角形の恐怖」より 著者:海野十三
けて、私と同じように中野駅におずおずと落付かぬ様子で降り立ったのを見付けたのが、恰度例のことを念じてから十日目でした。 私は細田氏が東中野駅の附近に家を持って....
人造物語」より 著者:海野十三
れて、人造人間に言われた命令が如何なる意味のものであるかを分析し、それによって、恰度、自動ピアノの孔のあいたロール紙のようなものが沢山並んでいるその一つが働き出....
深夜の市長」より 著者:海野十三
聞いたらいいだろう。それよりも例の事件を早く解決しなければならないのだ。そうだ、恰度いい。お前さんも一緒に来て、手伝ってくれないか」 「えッ、それではこれから出....
西湖の屍人」より 著者:海野十三
赤オートバイを豆粒位に小さくすることが慣例であって、その度毎に彼は鼻を高くした。恰度そのころ、彼には鳥渡気懸りな事件が生じた。それは家扶の孫火庭が、一週間ばかり....
遊星植民説」より 著者:海野十三
て太陽の周囲を公転しなくてもいいことになるのだ。地球は宇宙のうちならどこへでも、恰度円タクを操るように、思うところへ動いてゆけるようになるだろう」 「まア!」 ....
備前天一坊」より 著者:江見水蔭
ある。 「なる程、備前岡山は中国での京の都。名もそのままの東山あり。この朝日川が恰度加茂川。京橋が四条の大橋という見立じゃな」 西中島の大川に臨む旅籠屋半田屋....