»
恵み
「恵み〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
恵みの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「報恩記」より 著者:芥川竜之介
おん主《あるじ》、『えす・きりすと』様。何とぞ我々夫婦の心に、あなた様の御力を御
恵み下さい。……」
弥三右衛門は眼を閉じたまま、御祈りの言葉を呟《つぶや》き始....
「或る女」より 著者:有島武郎
・ルームの壁にもたれかかって、ぽかぽかとさす秋の日の光を頭から浴びながら、静かな
恵み深い心で、この小さな町の小さな生活の姿をながめやった。そして十四日の航海の間....
「或る女」より 著者:有島武郎
の花べんは存分に霜にしいたげられて、黄色に変色して互いに膠着《こうちゃく》して、
恵み深い日の目にあっても開きようがなくなっていた。そんな間を二人は静かな豊かな心....
「夜行巡査」より 著者:泉鏡花
も多量の暖を与えんとせる、母の心はいかなるべき。よしやその母子《おやこ》に一銭の
恵みを垂《た》れずとも、たれか憐《あわ》れと思わざらん。 しかるに巡査は二つ三....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
の心に、もう少しでひねくれた根性にさえなり兼ねた北人の心に、春の約束がほのぼのと
恵み深く響き始める。 朝晩の凍み方はたいして冬と変わりはない。ぬれた金物がべた....
「惜みなく愛は奪う」より 著者:有島武郎
は小鳥を生きるのだ。だから私は美しい籠と、新鮮な食餌と、やむ時なき愛撫とを外物に
恵み与えた覚えはない。私は明かにそれらのものを私自身に与えているのだ。私は小鳥と....
「宇宙の始まり」より 著者:アレニウススヴァンテ
ある。 おお、シン(月神)の神よ、汝のみひとり高きよりの光を 汝こそ光を人の世に
恵み給わめ、 ……………………………………… 汝が光は、汝の初めの御子なるシャマ....
「隣の嫁」より 著者:伊藤左千夫
人間を絞め殺す道具だ。二人は互いに手をとって涙の糸をより合わせ、これからさき神の
恵みに救われるような事があったらば、互いに持った涙の繩を結び合わせようと約束した....
「春の潮」より 著者:伊藤左千夫
を余儀なく人の夫にして近くに見ておったという悲惨な経過をとった人が、ようやく春の
恵みに逢うて、新しき生命を授けられ、梅花月光の契りを再びする事になったのはおとよ....
「山と雪の日記」より 著者:板倉勝宣
てスキーの跡をつけるのさえすまない気がする。ああ目が覚めたようにまぶしい。太陽の
恵みのもとに芽を吹き出す黒い土が天地の生命を表わすならば、雪の峰や谷は天地の聖き....
「転機」より 著者:伊藤野枝
に包まれている。すべての生気と物音をうばわれたこの区切られた地上は、たった一つの
恵みである日の光さえ、今は失われてしまった。明日が来るまではここはさらに物凄い夜....
「橋」より 著者:池谷信三郎
女は顰め面をして鼻を鳴らし始めた。明るい陽差しが、軒に出された風露草の植木鉢に、
恵み多い光りの箭をそそいでいた。 取調べは二月ほどかかった。スプリング・スーツ....
「赤いくつ」より 著者:アンデルセンハンス・クリスチャン
て、 「カレン、よくまあ、ここへきましたね。」といいました。 「これも神さまのお
恵みでございます。」とカレンはいいました。 そこで、オルガンは、鳴りわたり、こ....
「茶の湯の手帳」より 著者:伊藤左千夫
彼等の誤信と怠慢とは、今日の不幸を招いだので時に自ら恥ずる感あるべきも、始め神の
恵みを疎にして、下劣界に迷入せる彼等は、品性ある趣味に対すれば、却て苦痛を感ずる....
「河伯令嬢」より 著者:泉鏡花
せば、我等と同じ日蓮宗の御様子なり。戸のお札をさえ見掛けての御難題、坊主に茶一つ
恵み給うも功徳なるべし、わけて、この通り耳も疎し、独旅の辿々しさもあわれまれよ。....