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悍馬
「悍馬〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悍馬の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「鼻」より 著者:ゴーゴリニコライ
、堅牢な馬車、但し弾機《ばね》一個不足とか、生後十七年、灰色の斑《ぶち》ある若き
悍馬《かんば》とか、ロンドンより新荷着、蕪《かぶ》および大根の種子とか、設備完全....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
って、折りからそこへたずねて行ったチョビ安、泰軒居士の二人は、作爺さんとともに、
悍馬《かんば》足曳《あしびき》に三人鈴なりの体《てい》、雑沓《ざっとう》の護摩堂....
「稲生播磨守」より 著者:林不忘
となった元禄の兼定ですな。 刀を見ている侍 その兼定ならば、定めし大物でしょう。
悍馬《かんば》のごとく逸《はや》って、こりゃ鞘当てもしかねますまいて。ははははは....
「映画雑感(Ⅲ)」より 著者:寺田寅彦
すましている母の態度や、実に涙が出るほどかわいくおもしろい真実味があふれている。
悍馬を慣らす顛末は、もちろん編集の細工が多分にはいってはいるであろうが、あばれる....
「早すぎる埋葬」より 著者:佐々木直次郎
惨な出来事を掲載している。 巨大な体躯とたくましい健康とを持った一砲兵士官が、
悍馬から振りおとされて頭部に重傷を負い、すぐ人事不省に陥った。頭蓋骨が少し破砕さ....
「大菩薩峠」より 著者:中里介山
を胆吹山へ取られてしまっているが、その後の死生のほどもわからない。米友公を捨て、
悍馬《かんば》の女将軍女軽業興行師のパリパリに乗替えたが、こいつが意外に道草を食....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
るゆるい芝生の起伏に、ありとあらゆる類型の乗物と音律と人種と高調と、そして体臭と
悍馬と喚声と溌剌とが原色の大洋のように密集して、そいつが世にも大々的な上機嫌のも....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
をふるったアラビヤ人の影響で、十六世紀の初期までは、勇猛な一人の騎士が槍を持って
悍馬に跨がり、おなじく勇猛なる牡牛に単身抗争してこれを斃すのがその常道だった。そ....
「丹下左膳」より 著者:林不忘
いるうちに、しだいに左膳の頬は皮肉自嘲の笑みにくずれて来て、突然かれは、いななく
悍馬《かんば》のごとくふり仰いで哄笑した。
「あっはははッは! 土生《はぶ》仙之....
「宝島」より 著者:佐々木直次郎
し、顔は、日に焦けた表皮の下が、脂蝋燭のように蒼白かった。 しばらくの間は船は
悍馬のように跳びはねたり横へ動いたりし、帆は今左舷に風を受けて膨らんだかと思うと....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
なら、なぜ人を歩かせるような曲を演奏してきかせたのか。それらのページのうちには、
悍馬《かんば》、剣、戦《いくさ》の叫び、勝利の驕慢《きょうまん》、などが含まれて....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
」 「カバンを失くして気の毒だからさ。じゃ、百円、あすここへ届けて下さい」 と
悍馬のような鼻息で、女はひきあげた。 ところが、それから二三十分すると、交番の....
「余裕のことなど」より 著者:伊丹万作
人をもあたりを払つて食ひければ」と書いてあるくらいだから、何しろ手のつけられない
悍馬であつたことは想像に難くない。首を反つくりかえらして口には雪のような泡を噛み....
「つづれ烏羽玉」より 著者:林不忘
体とがきりりと締まって、年よりは二つ三つふけても見えようが、病み上がりとはいえ、
悍馬《かんば》のようなはなやかさが身辺にあふれているから、苔《こけ》臭い庭がぱっ....
「キャラコさん」より 著者:久生十蘭
だやかに、こういう。アマンドさんの受け方はなかなか堂にいっている。長年のうちに、
悍馬《かんば》のようなエステル夫人をなだめるコツをすっかり会得してしまったらしい....