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「悠々〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悠々の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
カルメン」より 著者:芥川竜之介
である。イイナはボックスの一番前に坐り、孔雀《くじゃく》の羽根の扇を使いながら、悠々と舞台を眺め出した。のみならず同伴の外国人の男女《なんにょ》と(その中には必....
戯作三昧」より 著者:芥川竜之介
の木なり石なり人物なりになり切って、しかもその中に描《えが》いた古人の心もちが、悠々《ゆうゆう》として生きている。あれだけは実に大したものです。まだ私などは、そ....
一夕話」より 著者:芥川竜之介
槻の家へ行って見ると、先生は気の利《き》いた六畳の書斎に、相不変《あいかわらず》悠々と読書をしている。僕はこの通り野蛮人《やばんじん》だから、風流の何たるかは全....
邪宗門」より 著者:芥川竜之介
しあの飽くまでも、物に御騒ぎにならない若殿様は、すぐに勇気を御取り直しになって、悠々と扇を御弄《おもてあそ》びなさりながら、 「待て。待て。予の命が欲しくば、次....
十円札」より 著者:芥川竜之介
糊《まんねんのり》などの整然と並んだ机の前に、パイプの煙を靡《なび》かせたまま、悠々とモリス・ルブランの探偵小説を読み耽《ふけ》っている。が、保吉の来たのを見る....
神神の微笑」より 著者:芥川竜之介
んじ》のパアドレ・オルガンティノは、――いや、オルガンティノに限った事ではない。悠々とアビトの裾《すそ》を引いた、鼻の高い紅毛人《こうもうじん》は、黄昏《たそが....
河童」より 著者:芥川竜之介
この国では罪人を罰しないのですか?」 ペップは金口《きんぐち》の煙草の煙をまず悠々《ゆうゆう》と吹き上げてから、いかにもつまらなそうに返事をしました。 「罰し....
奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
ると小犬のいた所には、横になった支那人が一人、四角な枕へ肘《ひじ》をのせながら、悠々と鴉片《あへん》を燻《くゆ》らせている! 迫った額、長い睫毛《まつげ》、それ....
煙管」より 著者:芥川竜之介
口に啣《くわ》えながら、長崎煙草《ながさきたばこ》か何かの匂いの高い煙りを、必ず悠々とくゆらせている。 勿論この得意な心もちは、煙管なり、それによって代表され....
湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
向い合せた。 「あの女がどうかしたのかい?」 譚はふだんのおしゃべりにも似ず、悠々と巻煙草《まきたばこ》に火をつけてから、あべこべに僕に問い返した。 「きのう....
お時儀」より 著者:芥川竜之介
すように捜さないようにあたりの人々を見まわしていた。 するとたちまち彼の目は、悠々とこちらへ歩いて来るお嬢さんの姿を発見した。彼は宿命を迎えるように、まっ直《....
西郷隆盛」より 著者:芥川竜之介
ぐにM・C・Cへ火をつけた。煙草の煙は小さな青い輪を重ねて、明い電燈の光の中へ、悠々とのぼって行く。本間さんはテエブルの下に長々と足をのばしながら、始めて楽に息....
将軍」より 著者:芥川竜之介
う》に刀《とう》を振り上げた。が、まだその刀を下《おろ》さない内に、三人の将校は悠々と、彼等の側へ通りかかった。軍司令官! 騎兵は田口一等卒と一しょに、馬上の将....
俊寛」より 著者:芥川竜之介
話を聞いてくれい。おれは独り笑いながら、勝手に話を続けるだけじゃ。」 俊寛様は悠々と、芭蕉扇《ばしょうせん》を御使いなさりながら、島住居《しまずまい》の御話を....
海のほとり」より 著者:芥川竜之介
は足もとへ寄って来るにつれ、だんだん一匹の鮒《ふな》になった。鮒は水の澄んだ中に悠々と尾鰭《おひれ》を動かしていた。 「ああ、鮒が声をかけたんだ。」 僕はこう....