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患
「患〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
患の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「伝吉の敵打ち」より 著者:芥川竜之介
り出した。
「何が嘘じゃ? この村のものにも聞いて見るが好《よ》い。己は去年の大
患《おおわずら》いから腰ぬけになってしもうたのじゃ。じゃが、――」
浄観はちょ....
「鼻」より 著者:芥川竜之介
うに取扱うのが、不愉快に思われたからである。内供は、信用しない医者の手術をうける
患者のような顔をして、不承不承に弟子の僧が、鼻の毛穴から鑷子《けぬき》で脂《あぶ....
「春の夜」より 著者:芥川竜之介
い着物でも、ほとんど清太郎とそっくりである。しかしおとといも喀血《かっけつ》した
患者《かんじゃ》の清太郎が出て来るはずはない。況《いわん》やそんな真似《まね》を....
「河童」より 著者:芥川竜之介
序
これはある精神病院の
患者、――第二十三号がだれにでもしゃべる話である。彼はもう三十を越しているであろ....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
から一日か二日すると、お蓮――本名は孟※蓮《もうけいれん》は、もうこのK脳病院の
患者《かんじゃ》の一人になっていたんだ。何でも日清戦争中は、威海衛《いかいえい》....
「温泉だより」より 著者:芥川竜之介
「死んだんですか?」
「いいや、子供は助かった代りに看病《かんびょう》したお松が
患《わずら》いついたです。もう死んで十年になるですが、……」
「やっぱりチブスで....
「お律と子等と」より 著者:芥川竜之介
戸沢《とざわ》さんが診察に来た時、わざわざ医者を茶の間へ呼んで、「先生、一体この
患者《かんじゃ》はいつ頃まで持つ御見込みなんでしょう? もし長く持つようでしたら....
「羅生門」より 著者:芥川竜之介
袗《かざみ》に重ねた、紺の襖《あお》の肩を高くして門のまわりを見まわした。雨風の
患《うれえ》のない、人目にかかる惧《おそれ》のない、一晩楽にねられそうな所があれ....
「路上」より 著者:芥川竜之介
た。
「いや、実際厳密な意味では、普通|正気《しょうき》で通っている人間と精神病
患者との境界線が、存外はっきりしていないのです。況《いわ》んやかの天才と称する連....
「侏儒の言葉」より 著者:芥川竜之介
。けれども我我人間は蟻の知らぬ快楽をも心得ている。蟻は破産や失恋の為に自殺をする
患はないかも知れぬ。が、我我と同じように楽しい希望を持ち得るであろうか? 僕は未....
「二つの手紙」より 著者:芥川竜之介
つ》の入るような早さで、見る間に私の眼界から消え去ってしまいました。私は、夢遊病
患者《ソムナンビュウル》のように、茫然として妻に近づきました。が、妻には、第二の....
「馬の脚」より 著者:芥川竜之介
仁《どうじん》病院長山井博士の説によれば、忍野氏は昨夏|脳溢血《のういっけつ》を
患《わずら》い、三日間|人事不省《じんじふせい》なりしより、爾来《じらい》多少精....
「悠々荘」より 著者:芥川竜之介
使っていたな。――」 Sさんは僕等をふり返って言った。 「この別荘の主人は肺病
患者だよ。」 僕等は芒の穂を出した中を「悠々荘」の後ろへ廻って見た。そこにはも....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
無上の満足がその間に湧き出る。天地間の宝蔵は無限であるから、彼は毫も材料の枯渇を
患うるには及ばない。汲めども尽きぬ智慧の泉、採れども尽きぬ思想の宝、世にも幸福な....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
ばかりの間にどのくらいここにも罪悪や悲劇の行われているかを知り悉していた。徐ろに
患者を毒殺しようとした医者、養子夫婦の家に放火した老婆、妹の資産を奪おうとした弁....