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患い
「患い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
患いの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「富士」より 著者:岡本かの子
れて一時それなりに呵《か》し去れたと思えた娘の主張が再び心情を襲うて来て、手脚の
患い以上に翁を疲らすのであった。 娘のいったことは自然の意志としたならあまりに....
「屋上の狂人」より 著者:菊池寛
ろう。それでその通り片輪になっとるんや。今日は金比羅さんの巫女さんが来て、お前に
患いとるものを追い出してくれるんやけに、屋根へ上らんと待っているんやぞ (その....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
将楽県の県令に挙げられ、母や姉たちにも褒美を賜わった。その以来、この地方に妖蛇の
患いは絶えて、少女が蛇退治の顛末を伝えた歌謡だけが今も残っている。 鹿の足....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
矢を善くするのを存じて居りますので、どうぞ毒矢をもってかれを射殺して、われわれの
患いを除いて下されば、かならず御恩報じをいたします」 象もまた地にひざまずいて....
「青蛙堂鬼談」より 著者:岡本綺堂
、あわせて丸四年ほどの年月が過ぎたのちに、彼は春二月のはじめ頃から風邪のここちで
患い付いた。それは余寒の強い年で、日光や赤城から朝夕に吹きおろして来る風が、広い....
「中国怪奇小説集」より 著者:岡本綺堂
の嫁が狐に魅まれた。 狐は毎夜その女のところへ忍んで来るので、張の家では大いに
患いて、なんとかして追い攘おうと試みたが、遂に成功しなかった。 そのうちに、張....
「火葬国風景」より 著者:海野十三
外にもう一つの理由があった。というのは、八十助の恋女房の露子が、この春かりそめの
患いからポツンと死んでしまったため、彼は亡妻を争った敵手のことなんかいよいよ忘れ....
「灰色の記憶」より 著者:久坂葉子
なしはじめたりしていた。そうして父は衰弱し神経をふるわせてばかりいたし、兄が胸を
患いはじめたり、姉の婚期が近づいたりして、ごったがえしていた。一家だんらんなど言....
「甲州鎮撫隊」より 著者:国枝史郎
総司さんが、眠った間も忘れないお千代という女なのか。……総司さんは、お千代は、恋
患いで寝込んでいるだろうと仰有ったが、寝込んでいるどころか、東海道の長の道中を、....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
かたはもう一年あまりもお悪いのでございます。あんなお美しいおかたが、そんな怖いお
患いをなすっていらっしゃるのは、お気の毒でございますね。つい二、三週間のあいだは....
「光は影を」より 著者:岸田国士
は、昨年からずつと、中風の気味で、臥せつておりますんです。あたくしも、眼をひどく
患いまして……こうしていても、あなたのお顔がはつきりいたしませんのですよ」 「そ....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
らない、家内親類奉公人などが残らず食いつくすに限る。そうすれば決して暑気あたりの
患いはないというのである。 勿論その時代とても、すべての人がそれを信用するわけ....
「正月の思い出」より 著者:岡本綺堂
れは私の叔父の家で、その当時、麹町の一番町に住んでいたが、叔父は秋のはじめからの
患いで、歳末三十日の夜に世を去った。明くれば大晦日、わたしたちは柩を守って歳を送....
「欧米各国 政教日記」より 著者:井上円了
自由共和の斉民的主義の国なり、わが国は上下貴賤の秩序階級ある国なり。米国は外冠の
患いなく外国の関係少なき国なり、わが国はしからず。この三事情につきてこれを考うる....
「木と鳥になった姉妹」より 著者:小川未明
いに抱き合って、しばらく無言でありました。 ふとしたことから、姉妹の父親が目を
患いました。はじめのうちは、じきになおるだろうと思っていましたが、だんだん悪くな....