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悦ばす
「悦ばす〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悦ばすの前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「菜の花」より 著者:小島烏水
の漬け菜の中から、菜の花の蕾が交って出ることがあるが、偶然だけに、どんなにか私を
悦ばすことだろう。 私の机上には、有り合せの玻璃瓶に、菜の花が投げ込んである、....
「旗本退屈男」より 著者:佐々木味津三
た老神主を静かに呼びとめると、早乙女主水之介なかなかに兵法家でした。 「百姓共を
悦ばすはよいが、十郎次と身共面識があるだけに、懲らしめる方法をちと工夫せずばなる....
「千曲川のスケッチ」より 著者:島崎藤村
ぞが貼付けてあるのを見ると、そんな粗末な版画でも何程かこの山の中に住む人達の眼を
悦ばすであろうと思われた。暮の売出しの時に、近在から町へ買物に来る連中がよくこの....
「家」より 著者:島崎藤村
しく粧おうとして、自然と彼女は風俗をもつくった。女に出来ることで、放縦な夫の心を
悦ばすようなことは、何でもした。それほど夫の心まかせに成ったのも、何卒して夫の愛....
「みみずのたはこと」より 著者:徳冨健次郎
であった。母は愛女の為に其望を遂げさすべく骨折る事を諾した。彼女の長兄は、其母を
悦ばす可く陰に陽に骨折る事を妹に約した。残る所は彼女の父の承諾だけであった。彼女....
「十二支考」より 著者:南方熊楠
轡へ新しい上赤貝の女郎が思い付いて招かぬに独り食い付くと申す前表《ぜんぴょう》と
悦ばす所あるはこれに拠って作ったのだ。その他『甲子夜話』一七に、平戸《ひらど》の....
「詩の原理」より 著者:萩原朔太郎
に、到るところの世界に於て、吾人はこの種の芸術を発見する。それは一つの、民衆を「
悦ばすため」の、娯楽としての芸術である。だが彼等の目的から、何をしているだろうか....
「葭の影にそえて」より 著者:宮本百合子
こばせ、尽きぬ感想の源泉となるばかりでなく、五ヵ月の相違で、母をその誕生によって
悦ばすことの出来なかった太郎や未来のその弟妹たちにとっても、やがて、よき祖母から....
「C先生への手紙」より 著者:宮本百合子
は肯定する事が出来ません。そう云う態度に出る者の裡の不純さと、粗雑さとに私は心を
悦ばす事は出来ません。其等の欠点を反省して、より純真な、より高い価値を持った動機....
「踊る地平線」より 著者:谷譲次
た。何を持って来た一体?』 『AYE! いろんな物、sir,色んなもの。あなたを
悦ばすべきたくさんの品。私はたしかにあなたを、たった六|片で冷たく打ち倒すことも....
「耳無芳一の話」より 著者:小泉八雲
えられ、食事と宿泊とに対する返礼として、別に用のない晩には、琵琶を奏して、住職を
悦ばすという事だけが注文されていた。 ある夏の夜の事、住職は死んだ檀家の家で、....