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「悦び〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悦びの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
忠義」より 著者:芥川竜之介
は、始めて、愁眉《しゅうび》を開く事が出来るような心もちがした。 しかし、彼の悦びは、その日一日だけも、続かなかった。夜《よる》になると間もなく、板倉佐渡守か....
さまよえる猶太人」より 著者:芥川竜之介
、ふだんと少しも変りがない。「日頃のように青く澄んだ御眼《おんめ》」は、悲しみも悦びも超越した、不思議な表情を湛えている。――これは、「ナザレの木匠《もくしょう....
画学校時代」より 著者:上村松園
れば自分の塾へ学校の帰りに寄るとよい。参考を貸したり絵も見てあげるから」 私は悦び勇んで、学校が退けると、東洞院錦小路の松年先生の塾へ寄り、そこで心ゆくまで人....
歌行灯」より 著者:泉鏡花
熱田の神のみそなわす、七里のわたし浪ゆたかにして、来往の渡船難なく桑名につきたる悦びのあまり…… と口誦むように独言の、膝栗毛五編の上の読初め、霜月十日あまり....
世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
情するような口ぶりで言った。 「僕たちを見たまえ、ラザルス君。そうして、僕たちが悦びを一緒に喜んでくれたまえ。この世の中に恋より力強いものがあろうか。」 ラザ....
眉の記」より 著者:上村松園
以上にもっと内面の情感を如実に表現するものはない。 うれしいときはその人の眉は悦びの色を帯びて如何にも甦春の花のように美しくひらいているし、哀しいときにはかな....
」より 著者:秋田滋
たくしの心を奪うのでした。彼女のからだ全体が、それを見ているわたくしに、限りない悦びを催させるのでした。わたくしにはまた、どうしても初めて会ったという気がせず、....
ある自殺者の手記」より 著者:秋田滋
んなにまで彼らの変化に乏しい思考のかたっていなければならないのだ。同じ観念、同じ悦び、同じ諧謔、同じ習慣、同じ信仰、同じ倦怠のうえを、明けても暮れてもただぐるぐ....
初雪」より 著者:秋田滋
た。春夏秋冬、この四つの季節は、土地を変えることによって、それぞれ新らしい変った悦びを人間に齎すものだと云うことが、彼にはどうしても呑み込めなかったらしい。 ....
良夜」より 著者:饗庭篁村
は杖にしあるいは日を除け、道々も道中の気遣いを故郷の恋しさと未来の大望とか悲しみ悦び憂いをかわるがわる胸中に往来したれば、山川の景色も目にはとまらずしてその日の....
車中有感」より 著者:上村松園
という兆しの現われを、わたくしは、この姉妹の女性の上に見てとって、ほのぼのとした悦びを感じたのであった。 若い母親の膝にいる幼児もまた、母親のやさしさが伝えら....
」より 著者:上村松園
すぐにその髪を結って、 「私は幸福な新妻でございます」 と、その髪の形に無言の悦びを結びつけてふいちょうしてあるいたのであるが、今の女性は社会の状態につれて、....
親ごころ」より 著者:秋田滋
をつくと、老人の膝のうえに顔を押しあてて泣きだした。そして、夢かと思われるような悦びに、今はもう口も利けない、その父母をかわるがわるひしとばかり擁き緊めるのだっ....
税所敦子孝養図」より 著者:上村松園
をうなずいていてくれていることを思うと、わたくしは今でも、あの絵を完成したときの悦びを味わうことが出来るのである。....
ベートーヴェンの生涯」より 著者:ヴェーゲラーフランツ・ゲルハルト
一八〇一年六月一日、ヴィーン 親しい善きアメンダ、心からなる友よ。深い感動をもって、悲しみと悦びとの入り交じった気持をもって君の最近の手紙を受け取り、そして読んだ。――君の....