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悦ぶ
「悦ぶ〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悦ぶの前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「野呂松人形」より 著者:芥川竜之介
ある、――時代と場所との制限を離れた美は、どこにもない。自分が、ある芸術の作品を
悦ぶのは、その作品の生活に対する関係を、自分が発見した時に限るのである。Hiss....
「予報省告示」より 著者:海野十三
がり、黴類は恐ろしく生成し、地球全体は緑で蔽われ人々はたらふく野菜や果実をとって
悦ぶ。だが人々は、蠅取苔が人間に噛みつくようになったり、歩行する植物に出会ったり....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
しているわねエ、皆同じだわネ」 と同じ祝詞を呈して、再びはらからの大騒ぎをして
悦ぶ様を見たのであった。 格子のなかの妾のはらからについては、妾はそれ以外に多....
「蠅男」より 著者:海野十三
れた。 糊本はドクトルの手で、見事に蘇生せしめられた。しかし彼は蘇生したことを
悦ぶ前に、身動きならぬほど厳重に手術台の上に縛りつけられている我が身を怪しまねば....
「河明り」より 著者:岡本かの子
杷の花の形に練り慥えてあった。そして、皿の肴には、霰の降るときは水面に浮き跳ねて
悦ぶという琵琶湖の杜父魚を使って空揚げにしてあるなぞは、料理人になかなか油断のな....
「雛妓」より 著者:岡本かの子
一方をここにも現すのかと思うとわたくしは悲しくなる。けれども逸作は、却ってそれを
悦ぶのである。「俺がしたいと思って出来ないことを、おまえが代ってして呉れるだけだ....
「地球要塞」より 著者:海野十三
て……」 提督は、ひとりで喋った。 「そして、余は、黒馬博士と識るを得たことを
悦ぶ者である。そこで博士よ。余は突然ながら、折入って博士に相談したいことがある。....
「四次元漂流」より 著者:海野十三
課長。よろこんで引受けます」 柔道四段の猛者の山形巡査が、奥の方から手をあげて
悦ぶ。古島老刑事は、 「おい山形君。そんなことをいうが、大丈夫かい」 とそっち....
「幽霊船の秘密」より 著者:海野十三
予備隊としてしばらく海上から幽霊船の様子を見ていることにする」 それをきいて、
悦ぶ者と、不満の舌うちをする者。 「これ、さわいでいる場合ではない。ぐずぐずして....
「棺桶の花嫁」より 著者:海野十三
うやく及第した。ちょっとでも杜先生に褒められると、少女たちはキキと小動物のように
悦ぶのであった。 「では、さっきのアントニオの演説のところを繰返してみましょう。....
「良人教育十四種」より 著者:岡本かの子
は速力が気に入るのだから何でも手っ取り早く先手を打って、先に望むことをしてやれば
悦ぶものだ。 痼疾のあるのは別だが、そうでなくて年中あっちが悪い、こっちが悪い....
「科学が臍を曲げた話」より 著者:海野十三
することが他愛もなく出来るようになりそうな気がします。勿論そうなったからといって
悦ぶのは早い。金が簡単に出来るようになったら、今日一|匁十何円|也という金が、一....
「豆腐買い」より 著者:岡本かの子
これを提げた姿を気狂いのお京さんに見せてやろう。そしたらお京さんはひょっとしたら
悦ぶかも知れない。 焼芋屋の隣に理髪店があるという平凡な軒並も加奈子には珍らし....
「ドーヴィル物語」より 著者:岡本かの子
段々親身になり、何でも彼女の云いなりになる。彼女の我儘には困り切り乍ら結局それを
悦ぶようになる。そういう男達は大方老人でなかに若い男があっても矢張り彼女を娘の様....
「棲霞軒雑記」より 著者:上村松園
うお礼を言って返すと、件の男も、 「よう見て下さいました。父もこのことをきいたら
悦ぶでしょう」 そう言ってから、また曰く、 「父の苦心の技をほめて貰って、子と....