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悪夢
「悪夢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪夢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「偸盗」より 著者:芥川竜之介
な気落ちを感じて、月に黒く逃げてゆく相手の後ろ姿を見送った。そうしてそれと共に、
悪夢からさめた人のような心もちで、今自分のいる所が、ほかならない立本寺《りゅうほ....
「大導寺信輔の半生」より 著者:芥川竜之介
師を憎んだ。今も、――いや、今はいつのまにか当時の憎悪を忘れている。中学は彼には
悪夢だった。けれども
悪夢だったことは必しも不幸とは限らなかった。彼はその為に少く....
「袈裟と盛遠」より 著者:芥川竜之介
いやおう》なく承諾させるくらい、目的に協《かな》った事はない。そこで己は、まるで
悪夢に襲われた人間のように、したくもない人殺しを、無理にあの女に勧めたのであろう....
「奇怪な再会」より 著者:芥川竜之介
いつか涙が一ぱいに漂って来る事があった。しかしふだんは重苦しい眠が、――それ自身
悪夢のような眠が、間《ま》もなく彼女の心の上へ、昏々《こんこん》と下《くだ》って....
「素戔嗚尊」より 著者:芥川竜之介
こえ》溢《あふ》れて来た。あの容貌の醜い若者は、その声が耳にはいるが早いか、急に
悪夢から覚めたごとく、猛然と身を飜《ひるがえ》して、相手の上に蔽《おお》いかぶさ....
「妖婆」より 著者:芥川竜之介
不思議を不思議として、感じる事さえ出来なかったと云います。
その晩もまた新蔵は
悪夢ばかり見続けて、碌々《ろくろく》眠る事さえ出来ませんでしたが、それでも夜が明....
「或る女」より 著者:有島武郎
慢《きょうまん》な女王のように、その捕虜から面《おもて》をそむけて、その出来事を
悪夢のように忌みきらった。冒険の獲物《えもの》はきまりきって取るにも足らないやく....
「或る女」より 著者:有島武郎
葉子はただ子供のように幸福だった。それまでの不安や焦躁はどこにか行ってしまって、
悪夢から幸福な世界に目ざめたように幸福だった。葉子はすぐ走って行って倉地の胸にた....
「二つの道」より 著者:有島武郎
勉《つと》めた二つの道は、まざまざと眼前に現われて、救いの道はただこの二つぞと、
悪夢のごとく強く重く人の胸を圧するのである。
六
人はいろいろな名によって....
「星座」より 著者:有島武郎
は写真を両手で胸のところに抱きしめた。
涙がまた新たに流れはじめた。
二度と
悪夢に襲われないために、このままで夜の明けるのを待とうとおぬいは決心した。
夜....
「生まれいずる悩み」より 著者:有島武郎
た波はすぐまた物すごい丘陵に立ちかえって、目の前の空を高くしきりながら、見る見る
悪夢のように遠ざかって行く。 ほっと安堵の息をつく隙も与えず、後ろを見ればまた....
「世界怪談名作集」より 著者:アンドレーエフレオニード・ニコラーエヴィチ
れのように送った。そうして、酒がもたらすところの楽しい妄想の代りに、彼は恐ろしい
悪夢に絶えずおそわれ、昼夜を分かたずその
悪夢の毒気を吸いながら、かの狂暴残忍なロ....
「寡婦」より 著者:秋田滋
もとには母がおりました。 私はそうした事がすべて、怖ろしい精神錯乱のうちに見た
悪夢だったのだと思ったのです。そこで私は口ごもりながら云いました。 「あ、あ、あ....
「スリーピー・ホローの伝説」より 著者:アーヴィングワシントン
。流星がとぶのも、隕石がひらめくのも、この谷間では国じゅうのどこよりも頻繁だし、
悪夢の魔女は九人の供をひきつれて、ここで跳びはねるのが好きらしい。 しかし、こ....
「妖怪学」より 著者:井上円了
中にするか、またはこれを手に書きて固く握り、獏と名づくる獣の図を枕の下に置けば、
悪夢の払いとなるなどは、みな人の心を安むるの目的にほかならざるなり。 しかるに....