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悪寒
「悪寒〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪寒の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或る女」より 著者:有島武郎
の爪先《つまさき》を、水晶のように固い美しい歯で一思いに激しくかんで見たりした。
悪寒《おかん》のような小刻みな身ぶるいが絶えず足のほうから頭へと波動のように伝わ....
「或る女」より 著者:有島武郎
の肌《はだ》ににじみ通った。葉子は、熱病患者が冷たいものに触れた時のような不快な
悪寒《おかん》を感じた。
「お前の神経は全く少しどうかしとるぜ。おれの事を少しは....
「星座」より 著者:有島武郎
無視することのできたそれらのものが……柿江は本当に恐ろしくなってきた。……全身は
悪寒《おかん》ではなく、病的な熱感で震えはじめていた。頭の中には血綿らしいものが....
「富士」より 著者:岡本かの子
生きとし生けるものの醜悪の底の味いを愛惜し、嘗め潜って来たであろうことを察して、
悪寒《おかん》のある身慄いをした。と同時に不思議や亀縮《かじか》んでいた異性に対....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
たばかりでもう、ごほごほ。 「方なしじゃ、」 思いの他、声だけは確であったが、
悪寒がするか、いじけた小児がいやいやをすると同一に縮めた首を破れた寝ン寝子の襟に....
「海底都市」より 著者:海野十三
が海のように広がっていて、以前ここには何か大きな建物があったことを物語っている。
悪寒《おかん》が再び僕の背中を走りすぎた。 僕はポケットに手を入れると、紙をひ....
「霊魂第十号の秘密」より 著者:海野十三
意外な名乗《なの》り 隆夫《たかお》は、ぞおーッとした。 急にはげしい
悪寒《おかん》に襲《おそ》われ、気持がへんになった。目の前に、あやしい人影をみと....
「ふしぎ国探検」より 著者:海野十三
うとりかえしのつかない程そこなわれているのに気がついた。それからのくる日くる日を
悪寒《おかん》と高熱になやみながら、ぼくは新しい道から研究を進めていった。……十....
「地球要塞」より 著者:海野十三
、閉口《へいこう》したろうねえ” 恐怖の声! 戦慄《せんりつ》の言葉! 私は
悪寒《おかん》と共に、ぶるぶるッと、慄《ふる》えあがった。 (どうかね、黒馬博士....
「宇宙尖兵」より 著者:海野十三
るかもしれない」 「あんまり真面目くさって、僕を脅すなよ。ひとのわるい」 僕は
悪寒に似たものを感じた。 それから四五日すると、誰も彼もが、急に足許がわるくな....
「沈没男」より 著者:海野十三
にくるまって宝石のような暮しをして居れど、頭はビンビン、涙と洟とが一緒に出るし、
悪寒発熱でガタガタふるえている始末、お察しあれ――といったのでは、よく分らないか....
「宇宙戦隊」より 著者:海野十三
手は氷のように冷えきっていた。帆村の顔色は悪く、土色をしていた。そしてぶるぶると
悪寒にふるえていた。 「どうした、帆村班員。報告しない前に、なんというざまか」 ....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
晩は、お爺さんの内から、ほんの四五町の処を、俥にのって帰ったのです。急に、ひどい
悪寒がするといって、引被って寝ましたきり、枕も顔もあげられますもんですか。
悪寒ど....
「湯女の魂」より 著者:泉鏡花
だと、下ッ腹へ力を入れて控えておりまする。またしても百万遍。小宮山はそれを聞くと
悪寒がするくらい、聞くまい、聞くまいとする耳へ、ひいひい女の泣声が入りました。屹....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
怨恨を晴らさん為に、附狙うのではあるまいか。そう思うと又してもぞっとして、全身を
悪寒をさえ生じたのであった。 背筋の痒さは一層強く覚え出した。いかに身を悶悩さ....