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悪弊
「悪弊〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪弊の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「高野聖」より 著者:泉鏡花
ある。
敦賀で悚毛《おぞけ》の立つほど煩《わずら》わしいのは宿引《やどひき》の
悪弊《あくへい》で、その日も期したるごとく、汽車を下《おり》ると停車場《ステイシ....
「法窓夜話」より 著者:穂積陳重
法の不識は免《ゆる》さず。 Abus n'est pas coutume.
悪弊は慣習に非ず。 Gesetz muss Gesetz brechen. ....
「一つの思考実験」より 著者:寺田寅彦
る。名前はやはり新聞でもそれはさしつかえないが、ともかくも現在の日刊新聞の短所と
悪弊をなるべく除去して、しかもここに仮定した必要の知識を必要な程度まで供給する刊....
「大阪を歩く」より 著者:直木三十五
対しての軽蔑は、僕等が彼等を軽蔑することよりも、一般的なのだから、大阪人士のみの
悪弊では無い。 東、吉原両飛行家には、銀盃を下賜されるが、菊池寛の戯曲が、イギ....
「女給」より 著者:細井和喜蔵
任意に置いて行くチップが有る所以で傭主が給料を出さぬということが殆ど理窟にならぬ
悪弊で、お客は此の為めにどれ程損をしているか分らない。第二、如何に楽な仕事だから....
「愛と認識との出発」より 著者:倉田百三
に際しての私のひとつの安心である。小さく賢く、浅く鋭く、ほどよく世事なれる今日の
悪弊から青年たちを防ぐのに役立つでもあろう。 この書にはいわゆる唯物論的な思想....
「ラジオ時評」より 著者:宮本百合子
釈していいものとすれば、こういう表現はその反対物として、夥《おびただ》しい因襲、
悪弊の存在を認めなければならないというわけになる。 図解が昨今は大変趣向にかな....
「今日の日本の文化問題」より 著者:宮本百合子
られない結果であった。 教育使節団の調査にもとづいて日本の教育制度の中央集権的
悪弊――文部省の絶対的支配――を除くために教育権の地方移譲、九年制の無料義務教育....
「獄中への手紙」より 著者:宮本百合子
たとおり。このインペイ法はよんでいて笑い出してしまいました。あなたは実によくない
悪弊だと思っていらしたと見え、蔽うの下(代り)に弊をかいていらっしゃるから。イン....
「女大学評論」より 著者:福沢諭吉
の中に安んずるの外なし。近くは三十年前の王政維新は、徳川政府の門閥圧制を厭うて其
悪弊を矯《た》めんとし、天下に大波瀾を起して其結果遂に目出度く新日本を見たること....
「私の小売商道」より 著者:相馬愛蔵
子店の主人から、職人の給料は薄給なこと、そして問屋から歩合やコンミッションを取る
悪弊があること、店の商品や原料を持ち帰ることは公然の秘であることを聞かされ、私は....
「人口論」より 著者:マルサストマス・ロバート
)、女児が前より数多く殺されたものと推論し得よう。この女の少いことは当然に乱交の
悪弊を増加し、そしてヨオロッパの疾病と相俟って、人口に根本的な打撃を加えることで....
「二都物語」より 著者:佐々木直次郎
雅な患者たちに向ってにこにこと微笑の愛嬌を振り撒いていた。国家を犯している小さな
悪弊に対するあらゆる種類の救治策を発見していながら、ただの一つの罪悪でも根絶しよ....
「学問のすすめ」より 著者:福沢諭吉
恥すでに地を払いて尽きたり、豈《あに》国を思うに遑《いとま》あらんや。政府はこの
悪弊を矯《た》めんとしてますます虚威を張り、これを嚇《おど》しこれを叱し、強いて....
「フレップ・トリップ」より 著者:北原白秋
な。とにかく迷惑至極なものだよ。人体からいっても解剖的にばかり見るのは近代医学の
悪弊だな。だから肥厚性鼻炎の切開をすると肺や肋膜を悪くしたり、――それはどちらに....