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悪役
「悪役〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪役の前後の文節・文章を表示しています。該当する11件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
有名なる無頼漢『深夜の市長』と、もう一人は愕くなかれ現職の司法官浅間新十郎という
悪役人だッ」 僕はここまで聞くと、口惜しさのために歯ぎしりした。なんたる捏造だ....
「姥捨」より 著者:太宰治
命ということを考える。自分ひとりの幸福だけでは、生きて行けない。私は、歴史的に、
悪役を買おうと思った。ユダの悪が強ければ強いほど、キリストのやさしさの光が増す。....
「新釈諸国噺」より 著者:太宰治
いのですよ。三十のけちんぼうは、早すぎます。見っともないわ。そんなのは、芝居では
悪役ですよ。若い時には思い切り派手に遊んだほうがいいの。あたしも遊ぶつもりよ。か....
「栄蔵の死」より 著者:宮本百合子
に突いた。 ガリガリと簪《かんざし》で髷の根を掻いて居る様子はまるで田舎芝居の
悪役の様である。 あまり怒って言葉の出ない栄蔵は、膝の上で両手を拳にして、まば....
「飛騨の顔」より 著者:坂口安吾
れておって、恐らく嫡流そのものの本体をいくつにも解体して、その一ツに自分のやった
悪役を押しつけたりしているように思われるのですが、たとえば
悪役の蘇我氏、または蘇....
「文化祭」より 著者:坂口安吾
で、 「実はこれこれで、小森ヤツ子が二等運賃を請求しているが、キミひとつ幹事長の
悪役をやってもらいたい」 「おやすいことです。しかし、女性一人ぐらい二等で帰して....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
田中の半分には達しない。最後までツキアイができた悲しさに、田中の小説の中でいつも
悪役に廻って散々な目にあわされているが、田中の小説は郡山に関する限り活写されては....
「我が人生観」より 著者:坂口安吾
トマサンの為人を理解できる筈はない。 しかし、「トマサンの一生」に於て、彼女が
悪役のイケニエにナマで供せられている如く、彼女の小説中に於て、彼女の姉夫婦が超特....
「明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
手金十円、後払い五十円。地方巡業一ヶ月の予定。日本壮士大芝居。ハハア。政治芝居の
悪役かなア。一助に似合いの口だ。行ってみねえ」 どこへ行っても、寄るとさわると....
「安吾人生案内」より 著者:坂口安吾
が半殺しにされた時は、エエ、御心境は? とききに行かざるを得んという実に宿命的な
悪役であるから、あなたもイノチが助かったことに免じて許してやるのですな。彼らが鉄....
「柳生月影抄」より 著者:吉川英治
これを糺問に附し、移封、減地、或いは断絶などの――荒療治をやらねばならない当面の
悪役が大目付じゃ。お父上でなければできぬ。御上命のあった際、父上は恐らく死を決し....