悪徳[語句情報] » 悪徳

「悪徳〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪徳の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
第四の夫から」より 著者:芥川竜之介
うのは何も風景だの、気候だのに愛着のある訣《わけ》ではない。実は怠惰《たいだ》を悪徳としない美風を徳としているのである。 博学なる君はパンデン・アアジシャのラ....
土曜夫人」より 著者:織田作之助
「本当にそう言ってもいいの」 「警察もへちまもあるもんか」 坂野は身上相談欄で悪徳巡査のことを読んでたので、まるで自分の細君が巡査と逃げたような錯覚を起してい....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
して鉄拐《てっか》となりぬ。往々見るところの女流の鉄拐は、すべて汚行と、罪業と、悪徳との養成にあらざるなし。白糸の鉄拐はこれを天真に発して、きわめて純潔清浄なる....
初めて見たる小樽」より 著者:石川啄木
満足を感ずることができなかった。 八月二十五日夜の大火は、函館における背自然の悪徳を残らず焼き払った天の火である。予は新たに建てらるべき第二の函館のために祝福....
鶴は病みき」より 著者:岡本かの子
せた。「大川宗三郎君(作者註、大川氏は麻川氏の先輩で、その頃有名な耽美派作家とも悪徳派作家とも呼ばれて居た。)の妻君の妹ですよ。赫子ってお転婆さんですよ。」と藤....
黒死館殺人事件」より 著者:小栗虫太郎
。でも、そんな隈取りは、もう既に洗い落してしまいましたわ。偽悪、衒学……そういう悪徳は、たしか、私には重過ぎる衣裳でしたわね」と第一日以来鬱積しきっていたものが....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
――精神的、霊的のものは悉く影を潜めて、所得顔に跋扈するは、ただ酒色と、荒淫と、悪徳と、劣情……若し汝にしてその実情に接触せんか、初めて闇の魔群の、いかに戦慄す....
歯車」より 著者:芥川竜之介
は女の話だった。僕は罪を犯した為に地獄に堕ちた一人に違いなかった。が、それだけに悪徳の話は愈僕を憂鬱にした。僕は一時的清教徒になり、それ等の女を嘲り出した。 「....
貞操問答」より 著者:菊池寛
りもなめらかな麻のハンカチーフを両手の中でもみしだいた。 新子は、女性としての悪徳である、嫉妬心、高慢、わがまま、邪推というようないやな物ばかりを、つつしみも....
政治に関する随想」より 著者:伊丹万作
く、要するに私にとつて、我国の政治というものは世の中で最も愚劣で、低級で、虚偽と悪徳に満ちたものとして、いかなる意味でも興味の対象となり得なかつたのである。 ....
勧善懲悪」より 著者:織田作之助
は売薬業者の眼のかたきである医者征伐を標榜し、これに全力を傾注した。「眼中仁なき悪徳医師」「誤診と投薬」「薬価二十倍」「医者は病気の伝播者」「車代の不可解」「現....
なよたけ」より 著者:加藤道夫
清純な女性の形象をとってこの現世に存在している、いわばそれは若竹の精霊だ。微塵の悪徳もなく、美わしい天然の姿のままで。それはあの竹林の中に生きている。 文麻呂 ....
夜の構図」より 著者:織田作之助
室からは、相変らず蓄音機の軍歌が聴えていた。 「――殺人は人間の行為の中で、最も悪徳の行為だ。が、軍部の奴らは、戦争の名に於て殺人を奨励している。男女の行為と結....
審判」より 著者:カフカフランツ
しまうという、ほとんど定見というもののない傾向である。――さて、今の場合にはこの悪徳は少なくともひとつのよい目的に役だつわけだった。 考えを少しまとめるために....
仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
半ばするものであります。そこに都会の持つ俗人への魅力もあるわけです。多くの犯罪、悪徳、不健康も含有されがちです。誘惑、堕落、精神的過労が附きものです。 これに....