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「悪心〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪心の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い：新字新仮名]
「婦系図」より 著者:泉鏡花
無い。おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前に縮まって、下げ煙管の投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ずし、沸立った湯を流へあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎....
「鍵から抜け出した女」より 著者:海野十三
い、遂に通じてしまったばかりか、実は莫大な遺産が僕の上に落ちてくるのを見すまし、悪心を起して横領を企てるに至った。継母お鳥も、いまは情念の悪鬼となり、虎に同意を....
「地球要塞」より 著者:海野十三
リ子という奴は、どこの国のスパイだろうか」 私は、マリ子の服を改めたが、彼女は悪心ぶかく、証拠になるような何物も持っていなかった。 私が、呆然《ぼうぜん》と....
「雷」より 著者:海野十三
よ。それにしても、四郎はあの爪弾きの松吉を莫迦に信用しているらしいが、今に松吉の悪心に引懸って、財産も何も滅茶滅茶にされちまうぞ」 「瀬下の嫁ッ子は、どう考えて....
「縷紅新草」より 著者:泉鏡花
そんなものの楽屋に縁がある――ほんの少々だけれども、これは筋にして稼げると、潜に悪心の萌したのが、この時、色も、慾も何にもない、しみじみと、いとしくて涙ぐんだ。....
「薄紅梅」より 著者:泉鏡花
同伴は、と申すと、外套なし。」 「そいつは打殺したのを知ってる癖に。」 「萌した悪心の割前の軍用金、分っているよ、分っている……いるだけに、五つ紋の雪びたしは一....
「元禄時代小説第一巻「本朝二十不孝」ぬきほ（言文一致訳）」より 著者:井原西鶴
る人もありませんから殺してあの御金をおとりなさいよ」とささやいたので思いがけない悪心が起ったので山刀をさし枕槍をひっさげてその坊さんの跡をおっかけて行く、まだ九....
「兜」より 著者:岡本綺堂
原家へ出入りをして、その兜を見せられた者の一人が、羨ましさの余り、欲しさの余りに悪心を起したものかとも想像されないことはないので、あれかこれかと数えてゆくと、そ....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
を貸してくれといった。見ると、彼は重そうに銀嚢を背負っているので、土工らは忽ちに悪心を起して、不意に鉄の鋤をふりあげて、かの旅びとをぶち殺してしまって、その銀を....
「廿九日の牡丹餅」より 著者:岡本綺堂
母に対して最初は反感を懐いていたが、十両の金を持って来たというのを聞いて、俄かに悪心をきざして、それを巻き上げることを案出したのであろう。それは殆ど明白であるが....
「放し鰻」より 著者:岡本綺堂
女房であったらしい。女房は亭主の留守に平吉から七十五両の金をあずけられて、俄かに悪心を起してその金をわが物にしようと巧んだ。かれは日の暮れるのを待って平吉の家を....
「旅客機事件」より 著者:大庭武年
が当った事をうれしく思います。綿井氏は秀岡氏が不慮の死に遭ったのを目撃して、不図悪心を起したのでしょう、神の審きがすぐある事を知らず……」 ５ ....
「小坂部姫」より 著者:岡本綺堂
ろん油断はならぬ。」と、小坂部は燃える火を見つめながら言った。「さりとてあの男、悪心をいだいている者とも見えぬが……。」 彼に対して言い知れない不安をいだきな....
「ピストルの使い方」より 著者:泉鏡花
んな事はきっと出来ると……二度目にあの塚へ、きみが姿を見せた時から、そう思った。悪心でそう思った。――ここへ連れて来て、銅像の鼻前で、きみの唇を買って、精進坊主....
「二葉亭四迷の一生」より 著者:内田魯庵
って読書に没頭する事が出来た。 露語の両川・高橋時代の官報局・精神心理の研究・罪悪心理と下層研究・最初の家庭生活の失敗・『片恋』・官報局を去る 二葉亭の仕官を....