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悪性
「悪性〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪性の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「深夜の市長」より 著者:海野十三
光景の中に躍動するマスミの心理状態にたいへん深い魅力を感じたからだった。僕はこの
悪性の遊戯に夢中になっている彼女の頬が次第に紅潮し、果ては一種のオルガスムスに似....
「国際殺人団の崩壊」より 著者:海野十三
幹事会に爆弾を抛りこまれて幹部一同が惨死をする。次はS大学の工科教授室の連中が、
悪性腸チブスでみな死ぬし、第三番目には先月、鉄道省の技術官連が大島旅行をしたとき....
「三人の双生児」より 著者:海野十三
のないように、母親がいろいろ気を配ったことも無理ならぬことだ。その後、真二は顔に
悪性の腫物が出来たので遂に大学で未曾有の難手術をやり、とうとう切ってしまった。そ....
「蠅男」より 著者:海野十三
来た筈であるが、怪しくも何処へ行ったものか、影さえ見えない。帆村はそれを蠅男の狂
悪性と結びあわせて、思わずブルブルと身慄いを催した。 「こうしちゃいられないぞ」....
「灯台鬼」より 著者:大阪圭吉
た。 いったい汐巻岬というのは、海中に半浬ほども突き出した岩鼻で、その沖合には
悪性の暗礁が多く、三陸沿海を南下してくる千島寒流が、この岬の北方数浬の地点で北上....
「三狂人」より 著者:大阪圭吉
問題で、患者の多くはしばしば些細な動機やまた全く動機不明に暴行、逃走、放火などの
悪性な行動に出たり、或はまた理由のない自殺を企てつまらぬ感情の行違いから食事拒否....
「獄中記」より 著者:大杉栄
獄ではこれだけの人数を一人一人独房に置くだけの余裕も設備もなかった。僕等は一種の
悪性伝染病患者のようなもので、他の囚人と一緒に同居させることもできず、また仲間同....
「超人間X号」より 著者:海野十三
すったのじゃ」 それにたいして、博士は次のように答えた。 「この繃帯は、じつは
悪性の腫物《はれもの》ができたので、そこへ膏薬《こうやく》をつけて、この繃帯で巻....
「大脳手術」より 著者:海野十三
の脚は、美しくてすらりと長かった私の前の脛とは全く異り、皮膚がいやにがさがさし、
悪性のおできの跡が、梅干を突込んだような凹みを見せてそれが三つもあり、おまけに骨....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
完全でありましょうが、要所要所を固めている者達の活動が出来なくなるばかりでなく、
悪性の労働者が、暗闇を幸い、どんな悪いことをはじめるかわかりません。私の心配なの....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
、殺人鬼が邸近くで暴れているという報告があったから、さあたまらない。一座は俄かに
悪性に活気づいた。 「むざむざと十四、五人も切らせるたァ、それは切らせる方に手落....
「神鷺之巻」より 著者:泉鏡花
めくとともに、鼻を殺がるる、というのである。 これは、生命より可恐い。むかし、
悪性の唐瘡を煩ったものが、厠から出て、嚔をした拍子に、鼻が飛んで、鉢前をちょろち....
「霊界通信 小桜姫物語」より 著者:浅野和三郎
に悪戯をするか知れませぬ。そんなのは私としても勿論大嫌いで、皆様も成るべくそんな
悪性の天狗にはかかり合われぬことを心からお願い致します。が、困ったことに、私ども....
「備前天一坊」より 著者:江見水蔭
「いや頼まれぬ。破滅しても構わぬ。いや、破滅の方が却って拙尼には幸いじゃ。この
悪性男。拙尼が虎の子の様にしている貯えの金三百両引出して、これが支度金で出世が出....
「坑鬼」より 著者:大阪圭吉
じめた。が、人びとは自分達と同じように密閉された係長や技師を見ると、直ぐにこれが
悪性の密閉ではなく、なにか事情があっての通行禁止であることに気がつき、やがて起き....