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悪感
「悪感〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪感の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「或敵打の話」より 著者:芥川竜之介
と、求馬は風邪《かぜ》が元になって、時々熱が昂《たか》ぶるようになった。が、彼は
悪感《おかん》を冒しても、やはり日毎に荷を負うて、商《あきない》に出る事を止めな....
「湖南の扇」より 著者:芥川竜之介
た。」
僕は彼の昔から愛想の好いのを思い出した。譚は僕等の寄宿舎生活中、誰にも
悪感《あくかん》を与えたことはなかった。若《も》し又多少でも僕等の間に不評判にな....
「或る女」より 著者:有島武郎
ついでに、親佐が東京を去るようになったのは、熱烈な信仰から来る義憤と、愛児を父の
悪感化から救おうとする母らしい努力に基づくものだ。そのために彼女はキリスト教婦人....
「続獄中記」より 著者:大杉栄
て急に本をかくして仕事をしているような真似をさせられたのが、なおさらにその微笑に
悪感を抱かせた。 「何が暖かいんだ。俺が今こうしてブルブル慄えているのが見えない....
「くろがね天狗」より 著者:海野十三
落ち、彼を稀代の色魔と呼ぶ者、また稀代の喰わせ者と呼ぶ者が現れるかと思うと、更に
悪感情は若き未亡人お妙の上に、また更に日頃人気の高かった帯刀の上にまで伸びていっ....
「獄中消息」より 著者:大杉栄
そのいるところがないなら、家で世話をしてやってくれないか。僕は足下の秋水に対する
悪感情はよく知っている。しかし、この際これほどの雅量はあってほしい。また、かくの....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
間におこなわれた。 ヴィール夫人が現われた次の日の日曜日に、バーグレーヴ夫人は
悪感がして非常に気分が悪かった上に、喉が痛んだので、その日は終日外出することが出....
「世界怪談名作集」より 著者:岡本綺堂
らば、僕が自分の競争者に対して不折り合いの態度を示したからといって、それについて
悪感をいだかないはずである。彼女の言葉全体を案ずれば、僕にもたいてい分かるだけの....
「初雪」より 著者:秋田滋
そのたびに立ち停った。余り晩くまで戸外にいたので、ほんの少しではあったが、彼女は
悪感がした。 家へ帰ると、良人から手紙が来ていた。彼女は相かわらず微かな笑みを....
「真鬼偽鬼」より 著者:岡本綺堂
かった。 しかし甚吉は亀屋のお園のことや、又それに就いて、このごろかの伊兵衛に
悪感情を抱いている事などは、すべて正直に申立てたが、伊兵衛を殺害した事件について....
「怪異黒姫おろし」より 著者:江見水蔭
の罪を重ねて八十六とまでに数えるとは。 それには遺伝性も有った。時代と境遇との
悪感化も加わった。祖父は野武士の首領で、大田切小田切の間に出没していた。それが上....
「三十年前の島田沼南」より 著者:内田魯庵
うためでもまた借金を申込まれる防禦線を張るためでもなかったが、場合に由ると聴者に
悪感を抱かせた。その頃毎日新聞社に籍を置いたG・Yという男が或る時、来て話した。....
「公園の花と毒蛾」より 著者:小川未明
が重くなって、足もとがふらふらとして起っていられなくなるのでした。そして、全身に
悪感を感ずるのでありました。 霧が去った後は、風に吹かれてぼたぼたと滴るしずく....
「常に自然は語る」より 著者:小川未明
い調でもあった。故に、喜びがあり、悲しみがあり、慰めがある。そして、狭小、野卑の
悪感を催さない。なぜならば、これ、一人の感情ではなかったゝめだ。郷人の意志であり....
「魯迅さん」より 著者:内山完造
チョコレートをワザワザ買って帰られることもあった。 日本の政治に対してはとても
悪感をもっておったが、しかし日本人に対しては非常な親しみとともに一面高く買ってお....