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悪日
「悪日〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪日の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「箕輪心中」より 著者:岡本綺堂
すことはありありと眼に見えているので、お時は毎朝の空を眺めて、きょうが其の破滅の
悪日《あくび》ではないかと、いつも怖ろしい予覚におびやかされていた。 きょうは....
「半七捕物帳」より 著者:岡本綺堂
ろんで負傷した。一夜のうちにこれほどの失敗が重なったのは、彼等に取ってよくよくの
悪日《あくび》とも云うべきであった。 しかも不幸は彼等の上ばかりでなく、この事....
「動かぬ鯨群」より 著者:大阪圭吉
没は十月七日とあった。その日は北太平洋一帯に、季節にはいって始めての時化の襲った
悪日だった。親潮に乗って北へ帰る鯨群を追廻していた北海丸は、日本海溝の北端に近く....
「四日間」より 著者:ガールシンフセヴォロド・ミハイロヴィチ
母の事。こうと知ったら、定めし白髪を引※って、頭を壁へ打付けて、おれを産んだ日を
悪日と咒って、人の子を苦しめに、戦争なんぞを発明した此世界をさぞ罵る事たろうなア....
「藤の実」より 著者:寺田寅彦
遺失物をしたり、病気が亢進したり、あるいは飛行機がおちたり汽車が衝突したりする「
悪日」や「さんりんぼう」も、現在の科学から見れば、単なる迷信であっても、未来のい....
「夜の靴」より 著者:横光利一
雨だ。私のいる家の亭主は長男の嫁の家へ米借りに出かけて行く。労働の出来ないこんな
悪日を利用して、主婦の清江は味噌取りに駅まで行き、一日がかりでその傍の、仏の口と....
「現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
ア、それもあるが、アタシは社長夫人を箱根へ案内する役目さ」 クソ面白くもない。
悪日の連続である。正宗菊松は寝小便をたれ流し、着物にクソをつけてうろつきまわって....
「安吾巷談」より 著者:坂口安吾
私はストリップを見たのは今度がはじめてだ。ずいぶん手おくれであるが、今まで見る気持がうごかなかったから仕方がない。
悪日であった。翌日の新聞の報ずるところによると、本年最高、三十度という。むしあつ....
「名人地獄」より 著者:国枝史郎
賛成しないかな」「へーい」といったが商人は、度胆を抜かれた格好であった。「今日は
悪日でございますよ。お杉の奴には嚇される、あなた様には脅かされる、ゆうべの夢見が....
「顎十郎捕物帳」より 著者:久生十蘭
ら、くたくたのひょろひょろ、棒鼻にもたれてようやく立っているというばかり、ひでえ
悪日《あくび》もあるもンだ」 「その点は、わしも同様。けさからなにも食《しょく》....
「錦紗」より 著者:犬田卯
「そんな人は九星にとっつかれている人で、九星の吉凶というのはそんな意味だねえよ。
悪日というのは気をつけろっちうことなんだから。」 そう聞くとお通はなるほどと思....
「三国志」より 著者:吉川英治
剣を抜くもあり、槍を舞わして、劉備へいきなり突っかけてくるもあった。 どういう
悪日と凶い方位をたどってきたものだろうか。 黄河の畔から、ここまでの間というも....
「三国志」より 著者:吉川英治
れ」と、張飛が見つけて、迅雷のようにかかって来た。 呂布は心中に、 「きょうは
悪日」と呟いて、あわてふためきながら逃げだした。 「や、おのれ、待て」と、張飛は....
「三国志」より 著者:吉川英治
白珠だ。よし、おれ自身、淮南の境まで守ってやろう」 「きょうは、凶神の辰にあたる
悪日ですから、明日になされたがよろしいでしょう。――明夜、戌亥の頃を計って」 「....
「年中行事覚書」より 著者:柳田国男
ラと称して、八つの皿に濁酒などを注いで神を祭る日であり、あるいはまたこの日を女の
悪日という処もある。いわゆるおかたが問題になる日は、正月十五日の尻はり尻つみ以外....