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悪漢
「悪漢〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悪漢の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「疑惑」より 著者:芥川竜之介
思ったでございましょう。私はまるで人目を偸《ぬす》んで、大罪悪を働こうとしている
悪漢のような気が致しました。いや、ような気ではございません。実際私は殺人の罪悪を....
「義血侠血」より 著者:泉鏡花
晃《きらめ》きぬ。思わず渠の目はこれに住《とど》まりぬ。出刃庖丁なり! これ
悪漢が持てりし兇器《きょうき》なるが、渠らは白糸を手籠《てご》めにせしとき、かれ....
「婦系図」より 著者:泉鏡花
変って、 「酒井さん、早瀬は、ありゃ罪人だね、我々はその名を口にするさえ憚るべき
悪漢ですね。」 とのッそり手を伸ばして、卓子の上に散ばった新聞を撫でながら、 ....
「恐しき通夜」より 著者:海野十三
れは、川波大尉こそは、第一話に出て来た熊内中尉に、あの恐ろしい無理心中を使嗾した
悪漢だった。そのために、当時、鮎川紅子と名乗っていた彼女は、愛の殿堂にまつりあげ....
「柿色の紙風船」より 著者:海野十三
明した。彼は五十嵐庄吉(三九)であった。十日前に××刑務所を出獄した掏摸十二犯の
悪漢である。彼は刑務所を出で、正門前に待ち合わせていた自動車に乗ったまま行方不明....
「恐怖の口笛」より 著者:海野十三
て来るのを感じた。 「よしッ! この元気でもって、帝都市民の生活を脅かすあらゆる
悪漢どもを一掃してやろう」 課長はその
悪漢どもを叩きのめすような手附きで、オ一....
「鞄らしくない鞄」より 著者:海野十三
を、あの人形は持っていたと思う」 「そんなものを、どうする気かな」 「そこでだ、
悪漢《あっかん》一味は、あれを持ち出して人形を歩かせ、計数管の力を借りて、ラジウ....
「怪星ガン」より 著者:海野十三
いに胸をいためた。 それにしてもにくいのは、艇内に時限爆弾を仕掛けていった謎の
悪漢だ。きゃつは、どうやら社会事業家ガスコ氏に変装し、松葉杖をつき、緑色のスカー....
「海底都市」より 著者:海野十三
さまを一目見た者は、もとの焼跡《やけあと》だらけの、食料不足の、衣料ぼろぼろの、
悪漢《あっかん》だらけの一九四八年の東京なんかに戻りたいと誰も思わないだろう。 ....
「雷」より 著者:海野十三
違いない」彼は呻くように云った。「北鳴四郎というやつは、八つ裂にしてもあき足らぬ
悪漢だ。彼はおれの書いた落雷の研究報告を悪用して、あの恐るべき殺人法を思いついた....
「浮かぶ飛行島」より 著者:海野十三
っき広珍料理店で川上機関大尉をさがしにきたわけを話したことを悔いた。とうとうこの
悪漢どもに、うまく利用されてしまったのだ。 「こんなにいってやるのに、手前は返事....
「霊訓」より 著者:浅野和三郎
、工夫してやるべきである。然るに地上の獄舎制度は、その正反対をやっている。あんな
悪漢と、悪霊との巣窟に犯人を収容して、いかにして、その改善を期待することが能きよ....
「キド効果」より 著者:海野十三
たことだった。「この憎々しく聳え立つ殺人興奮の曲線?」 「これさえ見れば如何なる
悪漢といえども犯行を隠しきれるものではない」 「先生。では此の装置を早速大量に製....
「八犬伝談余」より 著者:内田魯庵
にも馬琴だけは除外例になって感服されてるが、いずくんぞ知らん馬琴は忠臣孝子よりは
悪漢淫婦を描くにヨリ以上の老熟を示しておる。『美少年録』が(未完成ではあるが)代....
「活人形」より 著者:泉鏡花
の家に用無し。長居は無益と何気無く、「これは、怪しからん。ふとすると先刻遁失せた
悪漢が小戻して、奪い取ったかも知れぬ、猶予する処でない。僕は直ぐに捜しに出るとい....