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「悪玉〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪玉の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
二十世紀旗手」より 著者:太宰治
たしましたが、篠《しの》つく雨の中、こんなばかげたことがあろうか、まごうかたなき悪玉、私うまれてこのかた二十八年、あとにもさきにも、かの女事務員ひとり、他は、す....
満願」より 著者:太宰治
ずんだ。お医者の世界観は、原始二元論ともいうべきもので、世の中の有様をすべて善玉悪玉の合戦と見て、なかなか歯切れがよかった。私は愛という単一神を信じたく内心つと....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
とっている」 「それは何者でございましょう?」 「黒法師とでも云って置こう。また悪玉と云ってもよい。したがって私は善玉で。……三世を貫く因果なるものはこの善玉と....
社会時評」より 著者:戸坂潤
この上もないというわけである。 国防上の第二の問題は、思想問題である。ここでは悪玉は、「極端なる国際主義」と「利己主義」と「個人主義」とであり、又「泰西文明の....
星女郎」より 著者:泉鏡花
を打って騒ぐ、噛み合う、掴み合う、引掻き合う。 この騒ぎが一団の仏掌藷のような悪玉になって、下腹から鳩尾へ突上げるので、うむと云って歯を喰切って、のけぞるとい....
霊訓」より 著者:浅野和三郎
従ってどんな悪霊でも悉く神の子であり、神界の統治下にあるのである。抽象的の善玉、悪玉の永遠の争闘の如き思想は、一時も早く排斥すべきである。同時に霊界を一の清浄無....
わが戦争に対処せる工夫の数々」より 著者:坂口安吾
い。私は元々仕事をする気持はなかつた。などゝいふと、いかにも本屋をだまくらがした悪玉のやうだが、万が一にも気がむいて書くことができれば有り難いといふ空頼みの気持....
現代忍術伝」より 著者:坂口安吾
が、石川長範もマニ教の信者であるから、これも魂をぬかれる口かも知れない。さすれば悪玉かならずしも神通力に防禦力があるわけではない。別して天草商事には恨みをむすん....
スポーツ・文学・政治」より 著者:坂口安吾
はたんに末端だけじゃないね。 石川淳さんは、もし党員になったら、モノスゴイ善玉悪玉小説を書く、すべての資本家は悪玉で、労働者はことごとく善玉に書く、と云ってる....
貞操問答」より 著者:菊池寛
はぞろぞろ座席へ行く、人混の中で別れた。 やはり小さい子供達同士の「三社祭」の悪玉、善玉の踊りが終ると、夫人はサッサと退場して自分の自動車へ行ってみると、木賀....
次郎物語」より 著者:下村湖人
なってはならないって、いつもそれを心配していられたんだ。生徒には、もともと善玉も悪玉もない。それが、はっきり善玉と悪玉とにわかれてしまって、学校が、やむを得ず善....
文学のふるさと」より 著者:坂口安吾
れるものではないでしょう。ただモラルがない、突き放すというだけならば、我々は鬼や悪玉をのさばらせて、いくつの物語でも簡単に書くことができます。そういうものではあ....
茶番に寄せて」より 著者:坂口安吾
には物識りだ。即ち泥棒も牧師くらい善人なら、牧師も泥棒くらい悪人なのである。善玉悪玉の批判はない。人性の矛盾撞着がそっくりそのまま肯定されているばかり。どこまで....
講談先生」より 著者:坂口安吾
日本の講談には語り手の性格がないように、語られている人物にも性格がない。善玉悪玉の型があるばかりである。これは演者の教養や観点が固定しているからで、こういう....
五重塔」より 著者:幸田露伴
起し業も沸し汝の頭を打砕いてやりたいほどにまでも思うたが、しかし幸福に源太の頭が悪玉にばかりは乗っ取られず、清吉めが家へ来て酔った揚句に云いちらした無茶苦茶を、....