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「悪賢い〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪賢いの前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
玄鶴山房」より 著者:芥川竜之介
しているお芳の兄は何をたくらんでいるかわからなかった。実際又彼は彼女の目には妙に悪賢い男らしかった。お鈴は時々重吉をつかまえ、彼女の心配を打ち明けたりした。けれ....
古き小画」より 著者:宮本百合子
かであった。然し理由は、シャラフシャーにさえ説明しない。もとより、スーラーブは、悪賢い旅商人などの云うことを、何処まで信用してよいものか、弁《わきま》えるべきこ....
斯ういう気持」より 著者:宮本百合子
来るしね、仕舞いには皆が便宜を計ってくれてね、会計に居た津田なんて男――大胆な、悪賢い人でしたが、随分危険な真似するのよ、津田さんお花見に行きたいんだが金を都合....
ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
愛なる魂よ、」と呼び合ってるところを、詰問してみたが、何にも聞き出しえなかった。悪賢い子供たちは、なんのことだかわからないようなふうをして、勝手な呼び方をしても....
明治開化 安吾捕物」より 著者:坂口安吾
られる危険が多い。けれども明治の昔にこの手を用いて、誰に疑われもしなかったという悪賢い悪漢がいたかも知れない。法医学だの鑑識科学が発達していないから、真相を鑑定....
決闘」より 著者:神西清
われ科学者に対する態度はいつもあれだ。十世紀のあいだ笞と拳骨で脅やかされとおした悪賢い奴隷の種族だ。暴力の前でこそ顫えあがって感動して尾を振りもするが、一たんあ....
環礁」より 著者:中島敦
そうかといって(大抵の邪悪な顔には何処《どこ》か狡《ずる》い賢さがあるものだが)悪賢いという柄でもない。賢さなどというものは全然見られぬ・愚鈍極まる顔でありなが....
鳴門秘帖」より 著者:吉川英治
希望を、承ろう」 孫兵衛をじらしておいて、 「では言いましょう」と、旅川周馬、悪賢い目で、額ごしにお十夜の顔を見つめた。 「それは、つまり……」 と、旅川周....
三国志」より 著者:吉川英治
意しかあるまい」 許攸はまた笑って、 「むべなる哉。世間の人が、曹操は奸雄で、悪賢い鬼才であるなどと、よく噂にもいうが、なるほど、当らずといえども遠からずだ。....
はつ恋」より 著者:神西清
てうちの庭をぶらついて、鴉の番人をするのが習慣だった。――この油断のない、貪欲で悪賢い鳥に対して、わたしはずっと前から憎悪をいだいていたのである。さて今しがた話....