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「悪逆〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悪逆の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
蠅男」より 著者:海野十三
帆村は口の中で呀ッと叫んだ。 砂の中から出ているのは、蠅男の頸だったのである。悪逆残忍、たとえるに物なき殺人魔・蠅男の首に外ならなかった。 「お竜、しっかり圧....
四条畷の戦」より 著者:菊池寛
は、それに近いものである。殊に温厚そうに見える二代将軍秀忠の如き、朝廷に対して、悪逆を極めている。 だが、尊氏|丈が、どうして百世の下、なお憎まれ者になってい....
神州纐纈城」より 著者:国枝史郎
庄三郎はその様子を真正面から見やったが、 「はてな」と思わざるを得なかった。悪逆無慈悲の殺人鬼、その陶器師の面上に何んとも云えない寂しいものが一抹漂っている....
夜明け前」より 著者:島崎藤村
譲位をすら謀ろうとする心底であって、実に徳川将軍を不義に引き入れ、万世の後までも悪逆の名を流させようとする行為である、北条足利にもまさる逆謀というのほかはない、....
新釈諸国噺」より 著者:太宰治
れも泣き出す。 かつは驚き、かつは恥じ、永からぬ世に生れ殊に女の身としてかかる悪逆の暮し、後世のほども恐ろし、こんにちこれぎり浮世の望みを捨てん、と二人は腰の....
八ヶ嶽の魔神」より 著者:国枝史郎
葉之助は腕を組んだ。 二九 翌日鏡葉之助は、蘭医大槻玄卿の、悪逆非道の振る舞いにつき、ひそかに有司へ具陳した。 その結果町奉行の手入れとな....
決戦川中島 上杉謙信の巻」より 著者:坂口安吾
る。 昨年今川義元が織田信長に討たれて後は、天下平定、覇者の悪夢につかれ、益々悪逆な術策に身を持ちくずしているものの如くである。痴人の妄想、笑止、哀れである。....
織田信長」より 著者:坂口安吾
次代を担い、天下に号令すべき大将だと、うまいことを言ってきた。 天下の執政たる悪逆無道の老蝮もたしかにヤキがまわってはいた。主人に、主人の主人に叛かせ、その主....
正雪の遺書」より 著者:国枝史郎
ように、口の中でこんなことを唱えています。 「生死流転、如心車鑠、五百縁生、皆是悪逆、頓生菩提」 町奉行落合小平太殿、御加番松平山城守殿、お二方の手に率いられ....
血曼陀羅紙帳武士」より 著者:国枝史郎
忽、いましめて、放してさえくだされたら、何んの間違いもなかったものを! ……汝の悪逆の所業から、それからそれと禍いを産み、頼母様を五郎蔵に怨ませ、アレアレあのよ....
剣侠」より 著者:国枝史郎
かけた。 「珍らしや水品陣十郎、我等兄妹を見忘れはしまい。よくぞ我父庄右衛門を、悪逆無道にも討ち果したな。復讐の念止みがたく、汝を尋ねて旅に出で、日を費すことこ....
「信長」作者のことば」より 著者:坂口安吾
存在は斎藤道三と松永弾正という老いたる二匹のマムシであろう。 歴史にも類のない悪逆無道の悪党とよばれた二人が揃って彼のともかく親友的存在の全部。むろんマムシの....
赤坂城の謀略」より 著者:国枝史郎
主安カラズ。これは現代の事なのであろう。東魚来テ四海ヲ呑ム。これは北條の、一族の悪逆を指しているのであろう。西鳥来テ東魚ヲ食ウ。これは何者か関東を滅す。という予....
道鏡皇胤論について」より 著者:喜田貞吉
あった。しかるにそれを見られた仏教連合会の当時の幹部の人々は、従来我が仏教がこの悪逆なる妖僧の為に被った冤罪も、この研究によりて幾分緩和せらるべきものとなし、こ....
赤い土の壺」より 著者:田中貢太郎
はかの鵜飼の四人であった。皆さっきのままのなりで、手に手に白刃を持っていた。 「悪逆無道の親殺を討ちとりにまいった者じゃ、道家孫八郎の伜孫太郎でござる」 それ....