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悲喜劇
「悲喜劇〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悲喜劇の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「街頭から見た新東京の裏面」より 著者:杉山萠円
ンと「バラック」の感じが反映している。そうしてバラック式のリズムを作って、様々の
悲喜劇を漂わし、いろいろな流行を移りかわらせている。 そこに吾が大和民族の新し....
「母子叙情」より 著者:岡本かの子
あって人間同志の結び目を知らないで恋人に逃げられてばかりいるアルトゥール青年を、
悲喜劇染みた気持で見返した。 「あの青年はどういう育ちの人」 「さあ、そいつはま....
「小田原陣」より 著者:菊池寛
せて居る。淀君が東下の途中、足柄の関で抑留した為、関守はその領地を没収された様な
悲喜劇もあった。或時は数寄屋に名器を備え、家康、信雄等を招待して茶の湯会をやって....
「柿の種」より 著者:寺田寅彦
らしかった。 今度の病気で昔の中風老人たちを想い出して、この天下に普遍な家庭小
悲喜劇の心理分析を試みる機会を得た。 亡友K君が眼病で手術をして一時失明したこ....
「日本イデオロギー論」より 著者:戸坂潤
ラクタで充ちているのである。日本に限らず現在の社会に於けるこの切実で愚劣な大きな
悲喜劇のト書きを暴露するのは、吾々にとって、極めてツマラない併し又極めて重大な義....
「思想としての文学」より 著者:戸坂潤
らしい悲劇主義的俗物達は、悲劇というものがどんなに封建的支配階級の飯ごとを写した
悲喜劇であったかに、注意すべきである。そして、市民の悲劇などというものがあるなら....
「世界の一環としての日本」より 著者:戸坂潤
天にまかせて行きあたりバッタリにこれあれの本に眼を通すということは、全く文化上の
悲喜劇に数えられねばなるまい。 たとい本はあっても入場することが容易でなく、入....
「歯車」より 著者:芥川竜之介
虚栄心や病的傾向や名誉心の入り交った、複雑な性格の持ち主だった。しかも彼の一生の
悲喜劇は多少の修正を加えさえすれば、僕の一生のカリカテュアだった。殊に彼の
悲喜劇....
「ジャン・クリストフ」より 著者:豊島与志雄
方ないことだった。人はそれぞれ自分の天性の掟《おきて》を果たすべきである。しかし
悲喜劇の終わりが来るのを見るときには、仮面としていた熱情を脱ぎ去って、たがいに顔....
「徒然草の鑑賞」より 著者:寺田寅彦
非風流や半可通やスノビズムの滑稽、あまりに興多からんことを求めて却って興をさます
悲喜劇、そういったような題材のものの多くでは、これをそのままに現代に移しても全く....
「演劇の様式――総論」より 著者:岸田国士
フランスでも、十八世紀になると、悲劇と喜劇との区別を無視しはじめた。いわゆる「
悲喜劇」という代物が生れ、批評家はこれを「ジャンルの混淆」と言つた。悲劇でもなく....
「赤げっと 支那あちこち」より 著者:国枝史郎
いるな」と思ったからだよ。 が、こんなことは何うでもいいとして、此処で行われた
悲喜劇に就いて書くことにする。 我等の船の傍を普通の小舟がノタリノタリと通って....
「翻訳遅疑の説」より 著者:神西清
んな飜訳にしろよかれ悪しかれ、この務めを果しているに違いない。そしてそこに色々な
悲喜劇が演ぜられることも致し方ない。嘗《かつ》てあるフランスの作家のものが某名家....
「砕けた瓦」より 著者:種田山頭火
ということは解りきった事である。しかもこの解りきった事を忘れていたために、多くの
悲喜劇が屡々演ぜられた。 ○ 酔わないうちに胃が酒で一杯になった....
「遁走」より 著者:葛西善蔵
。若い法学士はというと、彼はこの思いがけない最後の――作家なぞという異った社会の
悲喜劇? に対してひどく興味を感じたらしく、入口の柱にもたれて皆なの後ろから、金....