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悲境
「悲境〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す
悲境の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
「単独行」より 著者:加藤文太郎
ら」と。 そうだ、この意気だ、この意気があればこそ山登りに成功するのだ。どんな
悲境に立とうとも決してこの意気を失ってはならない。世には往々ほんの僅かの苦しみに....
「お奈良さま」より 著者:坂口安吾
のカンヌキをさすわけにいかなかった。そこで身にあまる歎賞の嵐のあとで、はからざる
悲境に立つことになり、これが彼の命とりのガンとなった。 ★ ....
「南極の怪事」より 著者:押川春浪
、万事休す! 余は思わず甲板上に身を投げて慟哭せり、されど泣けばとていかでかこの
悲境より免るるをえん、しばらくたって余はふたたび甲板上に立ちあがりしに、今は地球....
「女侠伝」より 著者:岡本綺堂
明けたところで観客の来る筈もない。座頭を突然にうしなったこの一座はほとんど離散の
悲境に陥ってしまったが、何分にもこの一件が解決しない間は、むやみにここを立去るこ....
「太陽系統の滅亡」より 著者:木村小舟
、しかく断定せられたのである。 これに依って思うに、よしや太陽系統は一時滅亡の
悲境に立ち至るとも、吾々の霊魂なる者は、決して運命をそれと一にすべきものではなく....
「米」より 著者:犬田卯
今は彼女は出来秋の心配に移っていた。昨年のような洪水でも来られると一家はますます
悲境に沈むばかりであった。厄介な存在がまた一人殖える――いまやそれが確定的だった....
「ドモ又の死」より 著者:有島武郎
その椅子だ。なにしろ俺たちは、一人のだいじな友人を犠牲に供して飯を食わねばならぬ
悲境にあるんだ。ドモ又は俺たち五人の仲間から消えてなくなるのだ。ドモ又の弟はその....
「好色破邪顕正」より 著者:小酒井不木
うかとも思いはじめた。事情を打あけることは、彼女に対する疑いを濃厚にして、彼女を
悲境に沈めるであろうけれど、彼女が無罪であることを、康雄は固く信じて疑わなかった....
「茶の本」より 著者:岡倉由三郎
みたかったためであろう。古のギリシャにあこがれの誠をいたすにつれ、今のギリシャの
悲境を見るに見かねて、これが救済に馳せ向かわんとした情熱の人詩人バイロンに、風※....
「明治劇談 ランプの下にて」より 著者:岡本綺堂
か座名のみ変更して、小屋は殆んど腐ってしまって、山の手の客にも見かえられぬような
悲境に陥っていたが、今年の一月興行から演伎座とあらたまって、再び団十郎門下が出勤....
「仏教人生読本」より 著者:岡本かの子
などという言葉は浄瑠璃や唄の文句に出て来ます。そして大概、これらの言葉は、人間が
悲境のときか、人生の暗黒面に見舞われたときに使われる常套語になっております。「親....
「「特殊部落研究号」発行の辞」より 著者:喜田貞吉
からざる今日に於いて、ひとり彼らのみがこれに均霑する能わず、永く世の落伍者として
悲境に沈淪するの不条理なるは、到底世人の黙過すべからざるものなることを痛切に感ず....
「鷺娘」より 著者:大倉燁子
いわ。万が一に光村博士に知れた場合、きっと私が命にかけて引受ける。まゆみちゃんを
悲境に陥すような事は断じてしないから、私を信じて、安心して立派に踊って下さいな、....
「特殊部落ということについて」より 著者:喜田貞吉
に反抗すべく結束を固めるの必要があるであろう。したがってその結束を解いでは、一時
悲境に陥る場合がないとも云えぬが、彼らが部落の人ではなく、自ら帝国臣民の一員であ....
「戦争史大観」より 著者:石原莞爾
と。 しかし天はこの稀代の英傑を棄てなかった。一七六二年一月十九日すなわち大王
悲境のドン底に於て露女王の死を報じて来た。後嗣ペーテル三世は大の大王崇拝者で五月....