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「悲憤〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悲憤の前後の文節・文章を表示しています。該当する15件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
デンマルク国の話」より 著者:内村鑑三
は戦いに敗れて家に還ってきました。還りきたれば国は荒れ、財は尽き、見るものとして悲憤失望の種ならざるはなしでありました。「今やデンマークにとり悪しき日なり」と彼....
義血侠血」より 著者:泉鏡花
を仰ぎて、しばらく悵然《ちょうぜん》たりき。その面上《おもて》にはいうべからざる悲憤の色を見たり。白糸は情に勝《た》えざる声音《こわね》にて、 「そりゃあ、もう....
電気看板の神経」より 著者:海野十三
を瞞著しようとてか短刀を乳房の下に刺しとおしてあるではないか。係官は犯人の嘲弄に悲憤の泪をのんだ。そして即時、このビルディングの徹底的家宅捜索の命令が発せられた....
空襲葬送曲」より 著者:海野十三
行隊の機影に向って抛げつけたのだった。 だが、しかし、その偵察機の上にも、同じ悲憤に、唇を噛みしめる軍人たちが、強いて冷静を装って、方向舵を操っていた。 「お....
海野十三敗戦日記」より 著者:海野十三
に赤き血を吐く。 十一月十八日 ◯徹郎君より長文の手紙来る。目下の心境を綴りて悲憤す。同情にたえず。 ◯起きる。喀血はようやくおさまりたるもののごとし。 ◯庭....
地球盗難」より 著者:海野十三
岩蔵を助けだしてくるまでに十分ほどの時間が流れた。この間、大隅と佐々とは、空しい悲憤を語りあったに過ぎなかった。 義足をつけた岩蔵の姿を見たとき、二人の不安は....
食魔」より 著者:岡本かの子
りを与えながら昔日の尊敬を忘れ去り、学商呼ばわりする世情を、気狂いのようになって悲憤慷慨することもある。そんな不平の反動も混って蛍雪の喰べものへの執し方が激しく....
二、〇〇〇年戦争」より 著者:海野十三
あろうか。 その謎は、やがて解た。 イネ帝国が亡びると同時に、国軍の一部は、悲憤の涙をのんで、数隻の潜水艦に乗って、太青洋に彷徨い出たのであった。 その潜....
出奔」より 著者:伊藤野枝
「本当にそうなのかしら」 考えると登志子は身ぶるいした。あの当時登志子の胸は悲憤に炎えていた。何を思うひまも行なう間もなかった。「惨酷なその強制に報いるため....
『十八時の音楽浴』の作者の言葉」より 著者:海野十三
と思う。渡洋爆撃への驚嘆、快速戦車部隊への刮目、敵の空襲や迫撃砲や機関銃に対する悲憤、それからまた軍需品製造への緊張、科学戦時代を迎えて青少年といわず老幼男女を....
オフェリヤ殺し」より 著者:小栗虫太郎
切の希望が、その瞬間に絶たれてしまったのを知った。 しかも、それと同時に、彼を悲憤の鬼と化してしまうような、出来事が起った。と云うのは、一座が九十郎を捨てて、....
可能性の文学」より 著者:織田作之助
い、可能性の文学、近代小説は生れ得ないと思うからである。私は日本文壇のために一人悲憤したり、一人憂うという顔をしたり、文壇を指導したり、文壇に発言力を持つことを....
一老人」より 著者:犬田卯
一 「諸君! 我輩は……」 突然、悲憤の叫びを上げたのである。 ちょうど甥が出征するという日で、朝から近所の人達....
西航日録」より 著者:井上円了
長小野氏これに加わりて、五人内閣を団成し、中央のテーブルと相合して梅花状をなし、悲憤のあまり口角泡を飛ばし、切歯腕を扼し、日本男児の真相を演ずることあるも、局勢....
私の履歴書」より 著者:浅沼稲次郎
この間、暴力学生側では糞尿を入れたビンを投げ、会場は徹底的に蹂躙された。われらは悲憤の涙にくれ、五月十二日を忘れるなと叫び、この日を“流血の金曜日”と名づけたも....