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「悲母〜」の文章内での使われ方:小説や文学作品の中から探す

悲母の前後の文節・文章を表示しています。該当する10件の作品を表示しています。
検索対象[仮名遣い:新字新仮名]
学生と先哲」より 著者:倉田百三
程は見つぎ奉るべし、後生をば聖人助け給へと契りし事は、ただ事とも覚えず、偏に慈父悲母波木井殿の身に入りかはり、日蓮をば哀れみ給ふか。(波木井殿御書)」 かくて....
日記」より 著者:宮本百合子
五日 漸々本が出来て十五冊送ってくれる。方々へあげる。 八日 狩野芳崖遺作「悲母観音」を見る。驚くべき立派さであった。 三十日 一まず出来上る。題を「禰宜....
日記」より 著者:宮本百合子
い、果のない空の他の部分と区切りをつけて居る。仰向いて見あげて居るうちに、芳崖の悲母観音の画を思い出した。実に忘られない印象を与えた画だ。若しあの画を、一週間に....
痀女抄録」より 著者:矢田津世子
最近読んだ書物の中に「菅原直之助、独習をもって刺繍に長じたる人にして狩野芳崖の『悲母観音』の繍は原画の傑出せると共に有名なり」とあるけれども、これが何処に蔵され....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
行儀わるく、仰向けの寝相をかえて、鼻くそをほじりながら―― この因縁を以ての故に悲母の子を念うこと 世間に比いあることなく その恩、未形に及べり こんどは、余....
宮本武蔵」より 著者:吉川英治
枚不足しているので、損失でもしたように、頻りと小首をかしげていた。 悲心の闇、悲母の迷い、風流を解すおばばではないが、秋の虫、萩すすき、前にはゆるい大川のなが....
私本太平記」より 著者:吉川英治
。いじらしさよ。今宵、亡き良人もこの座にいませば……と、彼女は彼女の胸の奏でに、悲母の思いをせぐり上げられていた。 その時刻。――ちょうど、覚一小法師が、扇ヶ....
私本太平記」より 著者:吉川英治
日蔭の女”ではない。思うだけでも、体のうちにあけぼのがさして来る。 彼女という悲母の悲願は、それ一つにかかっていた。自分は元々、田楽村の無教養な女、野性の女と....
随筆 新平家」より 著者:吉川英治
していられない年ごろにもなって来ました。 だが、保元平治の戦いを身に知って来た悲母の常磐は、わが子が、興亡常なき武門にあこがれて、ふたたび父義朝の轍をふんでは....
朝鮮の友に贈る書」より 著者:柳宗悦
に応わしい場所であった。淋しさのみが淋しさを慰めるのである。声なくして静かに佇む悲母の観音は貴方がたの愛した姿であった。高麗の陶磁器は日々人の心に親しみたいため....